WRC2020/12/22

ミケルセン、ヤーゲルとの冒険を終えることに

(c)Hyundai

 アンドレアス・ミケルセンは、仲が良い友人でもあったコドライバーのアンデルス・ヤーゲルとのコンビを解消することになったと報告した。

 ミケルセンは現在31歳であり、ヤーゲルはミケルセンより1カ月若く、二人は17歳からの友人同士だ。ヤーゲルが、フォルクスワーゲンに当時所属していたミケルセンに勧められてコドライバーを学び始めたのは2014年のことだ。ヤーゲルはそれまでコドライバー未体験だったにもかかわらず、ミケルセンは「相性がよかった」という理由で、最初から遠くない将来に自身のコドライバーをさせるという大胆なプランを実行に移す。その期待に応え、ヤーゲルはわずか2年の経験でミケルセンの隣でペースノートを読むことになった。

 ミケルセンは2016年のモンテカルロからヤーゲルとの新コンビをスタート、2位ポディウムを飾ることになった。しかし、ヤーゲルは3戦目となるメキシコではタイムコントロールの手前でマシンから下りていたミケルセンにスタート促すためにエンジンを始動したところ、クルマが動き始めてしまい、コントロールラインを通過してしまい早着するという信じられないミスを犯したこともあった。

 それでもヤーゲルはじょじょに才能を発揮、ミケルセンの期待に応えるように2016年シーズンはコドライバー選手権ランキングを3位で終えるまでに成長した。二人は2度の優勝を含む11回の表彰台をともにすることになったが、フォルクスワーゲンにとっての最後のラリーとなった2016年のラリー・オーストラリア以来、優勝からは遠ざかっており、ミケルセンがヒュンダイのシートを失った今季はわずか2戦しかコドライバーの仕事はなく、ACIラリー・モンツァでのWRC3優勝が二人にとっての最後のラリーとなった。

 ミケルセンは日曜日夜に公開された動画の中で、悲しい口調でヤーゲルと離れることになった理由を説明した。

「アンデルス(・ヤーゲル)は来年から僕のコドライバーではなくなることを報告しなければならない。前々からこうなる予感がしていたが、数日前に2021年の(TOKスポーツとWRC2に参戦するという)プログラムを確定させた時に決定することになった」とミケルセンは語った。

「仕事で拘束される時間の多くは旅が占めており、クルマや飛行機の中で多くの時間を過ごすことになる。つまりとても忙しい一年になりそうだ。そして、そのためには、残念ながら欠けていたモチベーションが必要になる。もちろん今は家族もいるし、この年齢になると後戻りはできない。彼はこのプログラムに全くやる気がみせなかったし、僕はモチベーションを共有できるコドライバーのオファーの方を選ぶことになった。やる気があるからだ」

「僕とヤーゲルは素晴らしいチームだったので、本当に大きな損失だ。でもやる気のなくなったアンデルスよりは良いコドライバーがいると思う。悔しくても彼の決断を尊重する。それは私の目標や世界チャンピオンになるための道を変えるものではない」

「もちろん、彼がふたたびやる気をみせて戻ってきたいと判断すれば、将来、必ず扉は開けるつもりだし、これからもずっと仲良しでいられると思っているよ・・・」

 ミケルセンは2021年、彼のデビュー当時からフォルクスワーゲンに抜擢されるまでに至るまでコドライバーを務めてきた51歳のオラ・フローネとコンビを組むと発表されている。