WRC2020/12/20

モンテ、279kmの史上もっとも短いルートを公開

(c)Hyundai

 モナコ自動車クラブ(ACM)は、2021年の世界ラリー選手権開幕戦のラリー・モンテカルロの新しいアイテナリーを公開した。大雨による崖崩れや新型コロナウイルスの流行によって何度かコースが見直されることになり89回目を迎える2021年は15SS/279.88kmというモンテ史上もっとも短いルートで、無観客で開催されるという異例のイベントになる。

 1911年に記念すべき第一回大会が開催されたラリー・モンテカルロは2021年に誕生から110周年記念のメモリアルイベントとして開催されるが、セレモニアルスタートは華やかなモナコのカジノ前広場ではなく、2019年のようにホストタウンのギャップにとどまったままで行われるのは寂しいところだ。

 また、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、フランス国内では夜間(20時から朝6時まで)の外出禁止の措置がとられていることから、主催者はナイトステージをすべてキャンセルしたほか、観客の一般道での観戦を禁止し、ステージへの主要なアクセス道路を封鎖することを決定している。

 21日木曜日の朝にはラ・ガルデ(3.35km)でシェイクダウンが行われる予定だったが、いつものように多くのファンをギャップの郊外のステージから排除することはほとんど不可能だろうという判断に基づいてキャンセルになっている。

 当初の予定ではシェイクダウンに続いて夕方18時にギャップのレジャーセンターの駐車場からラリーはスタート、2つのナイトステージで開幕する予定だったが、夜間外出禁止の制限に影響しないようにスタート時間は15時40分に変更となっている。デヴォリュイ村のサン・ディスディエ〜コール(20.58km)とサン・モーリス〜サン・ボネ(20.84km)の2SS/41.36kmの一日となる。

 22日金曜日は、ギャップ西に6SS/126.94kmのもっとも長い一日となる。こちらも後続のマシンが暗闇のなかでスタートしないよう一日のスケジュールを25分前倒しにしてスタートすることになり、アスプルモン〜ラ・バティ・デ・フォン(19.61km)、シャランソン〜ギュミアンヌ(21.62km)、モンオーバン・シュル・ルヴェーズ〜ヴィルボワ・レ・パン(22.24km)というドローム県での3つの新しいスペシャルステージをギャップでのサービスを挟んで2回ループする。

 23日土曜日は、ギャップ南東のラ・ブレオル〜セロネ(18.31km)でスタート、オイット・タナクが2020年イベントで大きなクラッシュを演じたデュランス渓谷で行われるサン・クレマン〜フリシニエール(20.68km)がそれに続く。当初計画されたサンタポリネール〜アンブランのステージはキャンセルされ、2ステージのみでギャップへのサービスに入ることになる。これがこの週末における最終サービスとなる。このルートの見直しによって、この日の最終ステージとしてナイトステージとして行われる予定だったラ・ブレオル〜セロネの2回目の走行は15時すぎのスタートとなり、クルーたちは明るい時間のうちにモナコへと移動、19時すぎにパルクフェルメに到着することになる

 24日の日曜日はこれまで同様にノーサービスの一日となり、モナコ・ハーバーのタイヤフィッテングゾーンでのタイヤ交換でスタートするが、残念ながらクルーたちは伝統のチュリニ峠のステージには向かわない。 10月にフランス南東部を襲った豪雨によってアルプ・マリティーム地域では洪水や土砂崩れで道路が寸断されるなどの被害が発生したためルートが変更されることになったためだ。

 最終日はモナコからいつもの北東ではなく北西にむけて移動、ピュジュ-テニエ〜ラ・ペンヌ(12.93 km)、ブライアンソネ〜アントルヴォー(14.31 km)の2つのステージを2回走る4SS/54.48kmとなり、2回目のブライアンソネ〜アントルヴォーの走行がパワーステージとして行われる予定だ。