WRC2020/02/14

ラトバラ、シェイクダウン2で一番時計

(c)Jari Matti Latvala

(c)Toyota

 世界ラリー選手権第2戦ラリー・スウェーデンは、木曜日の夜にカールスタッド・シェイクダウン2が行われ、プライベーターとして参戦しているヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)がここではトップタイムを奪ってみせた。

 木曜日の夜にオープニングSSとして行われる予定だった1.90kmのカールスタッド・スーパーSSは温暖な気候によってラリーにふさわしくないコンディションとなったことからキャンセル、この日の朝にスカッラで行われた最初のシェイクダウンに続いて2つめのシェイクダウンの扱いとなった。

 気温は−3度と冷えた夜となったが、カールスタッドのフェリェスタッド競馬場に設けられた特設ステージは雪やアイスはなくラリーカーが走行すると土埃が舞い上がり、スタッドからは火花が飛び散っている。ふだんのカールスタッド・スーパーSSは2台併走によって争われるが、ここでは1台ずつの走行となり、ここでのタイムは総合タイムにカウントされることはない。コースは狭く、無理して攻めるとタイヤバリヤの餌食になることから、ドライバーはここでは無理することなく、スタートセレモニーの一環としてあくまでも集まった観客を楽しませるためのデモンストレーションランを行うこととなった。

 このステージでもっとも走りを楽しんでトップタイムを奪ったのが、ラトバラだ。今季初参戦となるラトバラは、コドライバーにユホ・ハンニネンを迎えての初めてのWRCだ。「思ったよりもグリップはあったよ。ファンに楽しんでもらうことがここでは一番だ」

 ラトバラから1.9秒遅れの2番手タイムはセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)だが、彼はスウェーデンのカール・フィリップ王子(ウェルムランド公)をコドライバーシートに招いての走行だ。

「なんて素晴らしいドライブだっただろう! おそらく僕がフランス語をよりよく学べば、僕たちはラリーでもいいコンビをくめるだろう」とフィリップ王子はステージエンドで語った。「いい走りだったね。今週末のコドライバーを彼に変えることを検討しているよ!」とオジエも上機嫌でコメント、その言葉を聞いた王子は、「僕の週末のスケジュールは空いているよ!」と満面の笑みをみせていた。

 2.7秒差の3番手タイムには、朝のシェイクダウンでも一番時計を奪ったカッレ・ロヴァンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)が続いており、「モンテより自信を持てていることは間違いないが、ここも僕たちにとっては新しい経験だ。僕たちが何をできるか、そしてこれがどんなラリーになるのか見ることが楽しみだ」と語っていた。

 ここでは上位にトヨタ勢が並ぶことになったが、ヒュンダイ勢はペースを上げることなく、完全なファンサービスに徹することになり、ティエリー・ヌーヴィルは4秒近く遅れた8番手タイム、クレイグ・ブリーンは11秒遅れ、オイット・タナクも13秒あまりも遅れた27番手にとどまっている。