WRC2021/05/05

ラトバラ、ロヴァンペラのことは心配していない

(c)RedBull Content Pool

 トヨタGAZOOレーシングWRTのカッレ・ロヴァンペラはクロアチア・ラリーで不運なクラッシュに見舞われたが、チーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラはその代償は彼にとって大きかったとしながらも、次戦のラリー・デ・ポルトガルでは失ったいい流れを取りもどすチャンスがあると語っている。

 ロヴァンペラは、ドライバーズ選手権をリードしてスタートを迎えたクロアチアで、オープニングステージでクラッシュしてリタイアすることになった。マシンは土手を滑り落ちるときに立ち木に激しくヒットしており、損傷がひどかったため彼はリスタートすることができずにノーポイントでラリーを終えることになった。

 ロヴァンペラはこれによってドライバーズ選手権では新たにリーダーとなったセバスチャン・オジエから22ポイント遅れの5位に転落することになったが、5月20日から23日にかけて開催されるシーズン初のグラベルラウンドとなるラリー・デ・ポルトガルでの出走順が5番手という有利なポジションとなる。

 ラトバラは、この悪い出来事がロヴァンペラの今後に影響することはないと考えており、ポルトガルでの有利な出走順が彼にとってプラスに働くことは明るい兆しだととらえている。

「これは、この出来事の良い面だ」とラトバラは語った。「ポルトガルでも、その後に続くグラベルラリーでも、彼は良い出走順を得られるだろう」

 ラリー・デ・ポルトガルの後、イタリアのサルディニアで開催される第5ラウンドでは、出走順がさらに重要になる。

 6月3日から6日にかけてオルビアを拠点に開催されるラリー・イタリア・サルディニアは、選手権で最も過酷なラウンドの一つであり、出走順の早いドライバーは道掃き役として大量のルースグラベルを掻きわけてドライブし、後続のドライバーにきれいなラインとより多くのグリップを残すことになる。

 ラトバラは、ロヴァンペラのスピードについては心配していない。

「カッレにはスピードがある」とラトバラは語った。「すでにそれについては明らかだ。彼に足りていないのは、WRカーでの経験と時間だ。彼はおそらく、これらのコンディションでの経験値に対して、少し速すぎたのかもしれない。しかし、クロアチアで支払った代償は大きかった」

「だが、ラリーとはそういうものだ。チームにとってこのイベントの結果は満足できるものだったので、我々は次のイベントに向けて前進する」