WRC2020/09/09

ラトビアのセスクスがジュニアWRC初優勝

(c)M-Sport

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 ラトビアのマルティンシュ・セスクスがラリー・エストニアでFIAジュニアWRC選手権シリーズ初勝利を挙げている。この勝利により、セスクスはシリーズ首位に立っている。

 フォード・フィエスタRally4(これまでのR2)のワンメイクで争われる今季のジュニアWRCは、2月の開幕戦ラリー・スウェーデンのあと中断してきたシーズンがやっとラリー・エストニアで再開することになった。

 イベントの幕を開けた金曜日夜のショートステージでトップを奪ったのはサミ・パヤリだったが、タルトゥ近郊のサンディな高速ステージで争われた土曜日には4人のドライバーがベストタイムを奪うという激しい争いとなった。

 土曜日朝の最初のステージでは選手権リーダーのトム・クリステンソンが先行することになったが、彼のアドバンテージは長く続くことはなく、SS3のジャンプで着地した際に地面にマシンを強打、フィエスタRally4のクランクシャフトが破損したことで早々に終わりを迎えることになった。

 これでセスクスがラリーをリードすることになったが、この日最終的に笑顔を見せることになったのは地元のロバート・ヴィルヴェスだった。彼はSS4で首位に踊り出したあと、一日を通してステージウィンこそ無かったものの、一貫して3位以内のタイムを記録したことが結果につながりこの日をトップでフィニッシュしている。

 ヴェルヴィスを激しく追い上げた同じく地元エストニアのケン・トルンがSS6で2位へと浮上、ラリー・リエパーヤのERCジュニア勝者が勝利を争う好敵手になると見られていたが、スペアタイヤ1本しか持っていなかった彼をパワーステアリングトラブルとダブルのパンクの悪夢が襲い、リタイアとなってしまった。

 これでクラウドファンディングを受けて参戦を実現させた地元のヴェルヴィスが、2位に浮上したセスクスに11.2秒差をつけて長く厳しい初日を首位で終えている。セスクスは、午後のステージで好調なペースを掴んでいるが、4ステージを制したフィンランドのサミ・パヤリが16.2秒差の3位となっているだけにまったく油断は出来ない状況だ。

 最終日となる日曜日はセスクスの素晴らしいベストタイムで始まり、SS13を終えてヴィルヴェスの5.3秒差にまで迫ることに成功する。そしてフィニッシュまで4ステージを残したSS14ではヴィルヴェスの状況はさらに悪化、パンクにより45秒のタイムロスを強いられ、3位まで後退する。

 セスクスはフォード・フィエスタRally4駆って、3日間のイベントを通してミスのない走りで常時トップ3内の順位をキープし、勝利を手にすることになった。

 序盤の超高速グラベルステージに苦戦していたパヤリが14.7秒差の2位となっている。彼は17ステージで7つのステージウィンを記録し3位のヴィルヴェスを23.1秒差上回り、選手権2位に浮上することになった。