WRC2019/11/29

ラリー・チリ、2020年イベントの中止を決定

(c)Hyundai

 ラリー・チリを主催するラリー・モービルは、2020年の4月に開催を予定していたWRCのチリ・ラウンドの開催を州政府の要請に基づいて中止することを決定したと発表した。すでにFIA にはキャンセルの申請がされている。

 チリでは10月中旬から経済情勢悪化に抗議するデモが続いており、先月には100万人が参加してセバスティアン・ピニェラ大統領の退陣と新憲法の制定を求めたデモが行われたほか、機動隊との衝突によって20人以上の死者と2,000人以上の負傷者が発生していると言われている。

 28日にコンセプシオン市で行われたミーティングには、ラリー・チリ主催者であるラリー・モービル・ディレクターのフェリペ・ホルタをはじめ、チリ自動車連盟のマウリシオ・メロ会長、ビオビオ州知事のセルジオ・ジャカマン、大会メインスポンサーであるコペック代表ら関係者が出席、2020年4月16-19日に予定されていたイベント中止の決定が確認されている。

 関係者によれば、チリ政府が来年4月に新憲法のための国民投票を予定していることからビオビオ州政府およびコンセプシオン市がラリー・チリへの支援が困難と判断、主催者はやむなく2020年イベントの開催を断念することになったが、ホルタ主催者代表はこれは開催中止ではなく、開催の一年の延期だと説明している。

「2020年イベントのキャンセルによって、世界ラリー選手権としての開催がストップするわけではない。2021年にはコンセプシオン市はふたたびWRCを開催する機会をもっており、開催は一年延期されることになる」とホルタ主催者代表は語った。

「幸いにもFIAとWRCプロモーターはここで起きている事態について好意的に理解をしめしてくれており、2020年の日程をキャンセルし、私たちは2021年には3年間の契約を再開することができる。ラリー・チリは今年のイベントのトップ3に評価されており、私たちにはふたたび戻ってくるという情熱があることははっきりしている」