WRC2021/10/19

リンドホルム、スペインでWRC3優勝

(c)Skoda

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 ラリー RACCラリー・デ・エスパーニャのWRC3では、エミル・リンドホルム(シュコダ・ファビアRally2エボ)が完璧な週末をすごして優勝を飾ることになり、2位でフィニッシュしたカイエタン・カイエタノヴィッチ(シュコダ・ファビアRally2エボ)が最終戦を残して新しい選手権リーダーとなった。

 今年のフィンランド・チャンピオンに輝いたリンドホルムは、前戦のラリー・フィンランドのWRC3に優勝して、グラベルスターとしての評価が高まっていたが、ターマックにおける才能も評価される週末となった。

 彼は、金曜日の最初ステージでトップに立つと、カイエタノヴィッチと地元のペペ・ロペス(シュコダ・ファビアRally2エボ)をじわじわと引き離して初日に14.9秒のアドバンテージを築き、さらに土曜日も4つのステージでベストタイムを奪って31.4秒の差をつけて最終日を迎えていた。リンドホルムは最終日も堅実なペースで首位をキープ、カイエタノヴィッチに28.5秒差をつけて優勝を飾っている。

 リンドホルムは、スペインまでにすでに今季のWRC3で7戦に出場していることから、今回はリータ・ハマライネンのコドライバーとしてラリーに出場することになった。もちろんリンドホルムがすべてのステージで走行を行ったが、ドライバーズ選手権のポイントはハマライネンに与えられている。

「いい気分だよ」とリンドホルムは喜びを語った。「スペインの道は、自分の国の道と同じくらい好きなんだ。だからこそ、このような結果になったのだと思うよ」

「今年は初めて来た2年前よりも多くのカットがあった。そのためまったく別のゲームになる。どうやってカットに入ってどうやって出るのかを見つけるのに、ずいぶん時間がかかった。学ぶべきことがたくさんあるよ」

 カイエタノヴィッチは、週末の大半を地元のロペスとの一騎打ちに費やした。土曜日には1.6秒差でリードを獲得していたが、最終日の朝、ロペスがエンジントラブルでリタイアすることになったため、2位を守りきることになった。彼は最後のパワーステージでも最大ポイントを獲得して、今回をスキップしているヨアン・ロッセルに8ポイント差をつけて選手権のリードを奪うことになった。

 二人は最終戦ACIラリー・モンツァにおける直接対決でタイトルを争うことになるが、ロッセルは、アクロポリス・ラリーで優勝を飾りながらサスペンションメンバーの重量違反での失格の取り消しを求めてFIAに控訴しており、裁定が最終戦の前にも出される予定となっている。

 ロペスのリタイアによって、モータースポーツ・アイルランド・ラリー・アカデミーのジョシュ・マクアーリン(ヒュンダイi20 R5)がカイエタノヴィッチからは2分28秒遅れの3位でフィニッシュすることになった。クリス・イングラム(シュコダ・ファビアRally2エボ)が土曜日にパンクを喫して大きく遅れたあと激しく追い上げたが、マクアーリンは、17秒差をつけて逃げ切り、WRC3で初の表彰台に上っている。