WORLDWIDE2021/09/28

リンドホルム、父の後を継いでフィンランド王者に

(c)Emil Lindholm Official/Mertapix

 フィンランド・ラリー選手権最終戦のコッコラ・ラリーでチームMRFタイヤのエミル・リンドホルム(シュコダ・ファビアRally2エボ)が今季3勝目を飾るとともに初のフィンランド・チャンピオンに輝くことになった。彼の父、セバスチャン・リンドホルムは1990年以降、フィンランド選手権を8度制した地元のスーパースターであり、リンドホルムの名前が15年ぶりにチャンピオン・トロフィーに刻まれることになった。

 最終戦を前にしてタイトルの可能性を残していたのは第2戦で初めてフィンランド選手権で優勝したあと第3戦でも連勝して勢い付いたミッコ・ヘイッキラ(シュコダ・ファビアRally2エボ)、開幕戦ウイナーのベテランのテーム・アスンマー(シュコダ・ファビアRally2エボ)、そして第4戦と第5戦の連勝で追い上げたリンドホルムだ。

 ラリーは初日土曜日から選手権タイトルを争う3人による激しいバトルとなったが、最後のスペシャルステージで、タイヤのパンクに見舞われたアスンマーが優勝争いから遅れ、逆転タイトルに望みをつなぐべく、最終日の朝にベストタイムを奪ってリンドホルムに3.5秒差まで迫ったヘイッキラもそのあとはじわじわと引き離されてしまう。

 リンドホルムは、最終的にフィンランド選手権のポイント対象外だったロシアのニコライ・グリアジン(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)に7秒差をつけて総合優勝、フィンランド選手権では2位のアスンマーに11秒差をつけて最終戦を制すとともに、悲願のフィンランド王者に輝くことになった。

 リンドホルムは1年前もチャンピオンに王手を掛けていたが、最終戦のポーヤンマー・ラリーでボンネットが走行中に開いてしまう不運でクラッシュ、タイトルを失っていた。

「これはすごい!今シーズンを始めたときは信じられない結果だ」と25歳のリンドホルムは語った。

「昨年は正直、僕らの熱意が大きすぎて失敗してしまった。すべてのスペシャルステージで良いタイムを出そうとしていたからね。今はラリーというスポーツが何を必要としているのか、よく理解できるし、戦術的なスポーツだということがよくわかったよ」

「コッコラは朝晩が冷え込み、最初のスペシャルステージでは気温が4度しかなかったが、気温が上がるにつれてグリップが向上してくれた。僕らのタイヤは、シーズンを通して素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。フィンランドで成功するためには、タイヤには、雪や氷はもちろん、さまざまなグラベルロードなど、かなり広い範囲でのノウハウが求められる。新しいタイヤメーカーであるMRFタイヤのポテンシャルの高さはこのタイトルで完全に証明されることになったよ」

「本当に素晴らしい気分だし、この時をずっと待っていたけど、残念ながら今はパーティーはお預けだ。コッコラからすぐに家に帰って、今度の週末に行われるWRCのラリー・フィンランドに向けてテストドライブをしなければならないからね!」