ERC2020/11/27

ルクヤヌクの予選の遅れは戦略だった

(c)ERC

 サンテロック・ジュニア・チームのアレクセイ・ルクヤヌクは、最終戦ラリー・イスラス・カナリアスの予選で34番手のタイムを記録したが、これは戦略的な作戦であったことを認めた。

 予選ステージの終わりに、ルクヤヌクはトップタイムを奪ったミコワイ・マルツィックのペースから14秒あまりも遅れたのは、ステージの前に警察に車を止められ、スリックタイヤを暖めるためのウィービング走行が危険だったとして警察から警告されたために、タイヤが冷えたせいだと語っていた。

 カナリアスの予選での上位15台のドライバーは、金曜日のスタート順を自由に選択できるが、34番手タイムのルクヤヌクはRC2クラスの最後尾となる27番手でのスタートとなっていた。

 しかし、ヨーロッパ・ラリー選手権をリードするルクヤヌクはその後、チームの天気予報をもとにした戦略的なギャンブルで最後尾を狙ってわざとゆっくり走ったことを認めた。

「正直なところ、全開でステージを走る気はなかった」とルクヤヌクは語った。

「ラリーのために良い選択をしてタイヤをセーブしようとしたが、このステージには最適ではなかったし、僕たちのセットアップも素晴らしいものではなかった」

「そういうこともあって、そのようにしようと決めた。自分の判断が正しいかどうかはわからないが、過去の経験から、うまくいくはずだと思っている」

「僕たちが持っている天気予報は、それについては何も公表できないが、時間の経過とともに良くなるはずだ。どうなるか見てみよう」

 カナリアスのターマックはクリーンでグリップが高いことで知られており、インカットでグラベルが路面にかきだされる懸念はないため、走行順によるハンデはそれほどなく、むしろ後方になるほど路面はクリーンになるはずだと考えられている。

 ルクヤヌクは予選でわざとタイムを落として大きく走行順を遅れさせた理由について明かさなかったが、ERC1ジュニア・カテゴリーをリードするグレゴワール・ムンスターは、木曜日の夜に一時的に雨が降るとの情報があることを認め、サイコロの目はルクヤヌクの期待通りになるかもしれないと示唆した。

「(ルクヤヌクは)1番手か15番手にはなりたくないことが、出走順で見て取れる。夜中とたぶん明日の朝には雨が降るかもしれないからね」とムンスターは語った。

「だから、ドライバーの中には、よりクリーンなラインを得るために後ろにいたいと思う人もいると思うよ」

 ムンスターも予選では16番手タイムにとどまり、明日は16番手の走行順でスタートする。彼はERC1ジュニアをリードしているものの、ライバルのオリヴァー・ソルベルグはわずか6ポイント差にすぎない。

 また、2度目のERCタイトルを目指すルクヤヌクはソルベルグに27ポイント差をつけており、こちらはかなり優位な状況で最終戦のスタートを迎えている。