WRC2021/07/16

ロヴァンペラがエストニアのSS1でトップタイム

(c)Toyota

(c)Hyundai

 2021年世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリー・エストニアが木曜日夜に行われたタルトゥ・ステージで開幕、トヨタGAZOOレーシングWRTのカッレ・ロヴァンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)がベストタイムでラリーをリード、クレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20クーペWRC)が0.1秒差で続いている。

 SS1タルトゥは、ラーディ・サービスパークに隣接する美しい公園の道を走る1.64kmの短いステージ。コースは狭くテクニカルなレイアウトとなっており、コースサイドのほかイン側には巨大な石が置かれ、一瞬のミスも許されない。

 この日の朝に行われたシェイクダウンでトップタイムを記録したロヴァンペラは短いステージでもその速さをみせつけて、初勝利への強い意志をみせることになった。周囲の期待感の高まりにも集中力は乱れてはいないようだ。

「自分が何を信じているか、何を考えているかは重要ではない。日曜日には結果が出ると思うが、いつものラリーと同じようにベストを尽くすつもりだよ。エストニアは、ドライブするのが好きで、プッシュするのが好きなラリーのひとつなので、うまく戦えることを願っている。いつものラリーのようにベストを尽くすつもりだ」とロヴァンペラは語った。

 ブリーンは、昨年のラリー・エストニアで2位でフィニッシュして以来、グラベルラリーでWRカーをドライブした経験をもたなかったが、開幕ステージの2番手タイムで続いている。

「クロアチア以来のWRC復帰となったが、再び戻ってこられたことを嬉しく思うよ。これが本当のラリーなんだ。ヨーロッパ選手権のプログラムを否定するわけではないが、これは別モノだよ」とブリーンは笑顔をみせている。

 Mスポーツ・フォードのテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)が0.6秒差の3番手、チームメイトであるガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)がさらに0.2秒差で4位につけている。また、このショートステージではパワーのないRally2カーにもかかわらず、マッズ・オストベルグ(シトロエンC3 Rally2)とヤリ・フットゥネン(ヒュンダイi20 R5)がグリーンスミスと同タイムで4位で並んでいる。

 昨年の優勝者であるオイット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)は、チームメイトであるティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイi20クーペWRC)とともに、ロヴァンペラを0.9秒差で追う7位につけている。タナクはディフェンディングウィナーとして今年も優勝の本命であることは間違いないが、トヨタを相手に圧倒的な強さを発揮して勝つのは困難なことだと語っている。

「このレベルでは、圧倒的な強さを発揮することは非常に稀なことだ。最初の目標は、トヨタとの戦いに挑むことだが、自分のためだけでなく、チームのためにも勝たなければならない。そのために今週末はここにいて、戦うつもりだ」とタナクは語っている。

 選手権リーダーであるセバスチャン・オジエは、エストニアでの最初のステージを終えて総合9位につけている。首位とはわずか1.2秒差にすぎないが、彼は明日はさらに滑りやすく厳しい1日になると予想している。「厳しい週末なると思う。ここはすでにスリッパリーだ。道路を掃除していくことで自分がどこまでできるか分からないが、いつもどおり自分にできるすべてを尽くしていくことになる」

 10番手には、WRC2選手権リーダーのアンドレアス・ミケルセン(シュコダファビアRally2エボ)がつけており、シェイクダウンで3番手の速さをみせた勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)が右のタイトコーナーでリヤタイヤをコース脇に落とす派手なアクションをみせながらも1.9秒差の15番手タイムで続いている。

 100回目のWRC参戦となるエルフィン・エヴァンス(トヨタ・ヤリスWRC)はここではミスなく走ることに集中したため19番手タイムにとどまったが、わずか3.2秒遅れにすぎない。「全体的にとてもハイスピードだが、すべてがいい感じのようで楽しみだよ」

 ラリー・エストニアは明日、タルトゥ南部へと向かい、高速ステージへ舞台を移す。オープニングステージとなるSS2アルーラは現地時間9時40分(日本時間15時40分)のスタートが予定されている。