WORLDWIDE2019/07/01

ローブ、ヒュンダイi20 R5で王者の速さをみせる

(c)FFSA

 セバスチャン・ローブがR5マシンを走らせるとフランス・チャンピオンが駆るWRカーより速いことが証明されたが、惜しくも彼はサスペンショントラブルのために優勝を逃すことになった。

 ローブは、6月29-30日に開催されたフランス・グラベル選手権第3戦ラリー・テール・ドゥ・オーヴァールにヒュンダイi20 R5で出場した。1976年から1986年に開催された伝説のラリー、1000ピステ・ラリーのルートを復活させたラリー・テール・ドゥ・オーヴァールに、ローブはスポットのコドライバーであるグデイ・ローレンとともにこのイベントのプロモーションのために出場、初めてi20 R5を駆ることになった。

 ローブは、選手権リーダーのティボール・ドゥルベック(シトロエンDS3 WRC)や選手権争いの常連のリオネル・ボー(シトロエンDS3 WRC)を押さえて、いきなりオープニングSSでベストタイムを奪ってラリーをリードすることになったが、続くSS2でローブはリヤサスペンションのコントロールアームを破損、1分20秒をロスして16位まで後退することになった。

 しかし、ここからローブはトップドライバーの意地をみせるようにベストタイムを連発して猛追を開始、SS5では完全にゴムを失うほどのパンクにも見舞われたが、4ステージ連続してベストタイムを奪い、首位のボーまで19.7秒差まで迫って初日を終えることになる。

 最終日に逆転勝利への期待がかかったローブだが、前日にサスペンションに問題を抱えたあとロードセクションにおける修理に手間取り、2分30秒のペナルティが課せられていたことが最終日がスタートしたあとで発表され、ワールドチャンピオンの逆転劇を期待したファンの夢は萎むことになる。

 それでもローブは最終日も3つのベストタイムを奪って、2分11秒遅れの5位まで追い上げてフィニッシュを飾っている。

「僕らはよくやったと思う。SS2では正直なにが起きたのかよくわからない。直線を走っているときに、とつぜんリヤのタイヤが曲がってしまったからね。僕らはうまく修理できてそのあとも少し曲がってしまうマシンにもかかわらず、いいリズムをキープできたし、クルマがトップであることをタイムで証明することができた。ペースノートにも自信があったので、最終日もいいペースで走ることができたよ」とローブは語っている。

 ラリー・テール・ドゥ・オーヴァールは、ドゥルベックが最終日にボーを逆転、今季開幕から3連勝を飾っている。