JAPAN2018/08/27

ヴィッツGRMNが全日本ラリー初優勝

(c)Toyota

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 8月24日〜26日に開催された全日本ラリー選手権第7戦MSCCラリーinいわき2018で、TGR Vitz GRMN Rallyが初優勝を飾った。

 2018年の全日本ラリー選手権に参戦するTOYOTA GAZOO Racingは、5月の第3戦久万高原ラリーからTGR Vitz GRMN Rallyを投入している。チームは、前戦のあと約2カ月間というインターバルを利用して、車両セッティングの調整を目的とした小規模のテストを実施し、この第7戦MSCCラリーを迎えることになった。

 一部に湿った箇所が残るなど難しい路面コンディションとなったMSCCラリーで、TGR Vitz GRMN Rallyを駆った眞貝知志/安藤裕一組は、SS1を3番手タイムでクリア、SS2とSS3で連続ベストタイムを記録し、2番手に浮上。さらにSS6、SS7でもベストタイムを刻み、トップで初日を終えることになった。

 ラリー2日目、僅差で首位を争っていたライバルがリタイアを喫したため、眞貝選手は2番手以下に大差をつけて走行。最終SS前に2速ギヤを失うトラブルが発生したものの、眞貝はミスなく走り切り、今季初勝利を達成した。TGR Vitz GRMN Rallyにとっては初勝利であり、TOYOTA GAZOO Racingにとっては、2016年の「久万高原ラリー」以来となるJN5クラス優勝となった。

豊岡悟志(チーム監督):「TGR Vitz GRMN Rallyの初優勝を心を寄せる東北の地で飾れて本当にうれしいです。過酷で厳しいラリーでしたが、眞貝選手と安藤選手がクルマと対話をしながら絶妙なマネージメントによりフィニッシュまで走り切ってくれました。ふたりには本当に感謝しています。ここまでリタイアが続くなか、メカニックも毎日夜遅くまで対策を考えて準備してくれました。その努力と、地元のたくさんの皆様の声援に運が味方してくれたのだと思います。次は山場となるラリー北海道です。超高速ラリーでクルマへの負担も大きいですし、しっかり準備をして向かいます」

宮本昌司(チーフメカニック):「難しいコースコンディションのなかで、このクルマのコントロールのしやすさ、そしてスーパーチャージャーの出力特性が有利に働いたと思っています。2016年の優勝は幸運にめぐまれた部分が大きかったと思いますが、初日からしっかり走って手にした今回の勝利は、チームのメンバーだけでなく、開発陣にとっても大きな励みとなるはずです。ただ、車両性能でライバルとはまだ差があるので、ここで満足してはいけないと思っています。まだシーズンは残り3戦ありますし、次のラリー北海道は走行距離が長い一戦です。今回発生したトラブルにもしっかり対処して挑みたいと思います」

佐々木良典(ヴィッツGRMN開発エンジニア):「感無量とはこのことですね。本当にうれしいです。このクルマに携わってくれた人すべてに届けたい勝利です。眞貝選手と安藤選手の頑張りに、心から感謝しています。今回は車両に細かい調整を施して挑んだラリーでした。前回のリタイアもあったので、眞貝選手も車の様子を見ながらかなり慎重に走ってくれたと思います。 そして、チーム全体の力が上がってきていると実感できるラリーでした。今回のラリーで得られたデータをしっかりと分析し、次のラリー北海道に向けたアップデートを検討したいと思います」

眞貝知志(ドライバー):「優勝という結果を得ることができて、本当に良かったです。最後までクルマが持ちこたえてくれました。最終日の後半、クルマに少し問題があったためペースを落としましたが、ラリーを通じてTGR Vitz GRMN Rallyは運転しやすく、ラフな道でも安心してアクセルを踏むことができました。人にもクルマにも厳しいラリーでしたが、あらためてTGR Vitz GRMN Rallyの耐久性は驚異的だと思います。次のラリー北海道に向けては、今回の結果に油断することのないように、改めて自身のドライビングを見つめ直して挑みたいと思っています」