WRC2021/05/24

ヴェイビー、COVID-19違反で6カ月の出場停止に

(c)Hyundai

 ヒュンダイ・モータースポーツNのジュニアドライバーであるオーレ・クリスチャン・ヴェイビーは、ラリー・デ・ポルトガルでのコロナウイルス感染防止プロトコルへの重大な違反を犯したため、世界ラリー選手権への6カ月の出場停止処分を受けた。また、コドライバーのヨナス・アンダーソンも3カ月の出場停止処分となった。

 ポルトガルをスタートする予定だったヴェイビーは、木曜日に行われたシェイクダウンを走った後にCOVID-19の陽性反応が出たため、ラリー出場を取りやめることになった。

 しかし、すでにWRC2の選手権リーダーであるアンドレアス・ミケルセンが、月曜日の検査で陽性反応が出たため、ポルトガルへの参戦を諦めており、ヴェイビーとアンダーソンは、5月7〜8日に開催されたタルガ・フローリオにヒュンダイi20クーペWRCで出場した際に、ミケルセンにサポートを受けており、陽性反応をもった人との濃厚接触の事実を把握しながらその報告を怠り、FIA ISC(インターナショナル・スポーティング・コード)が定める付則S項のCOVIDプロトコルに従わずに火曜日以降もポルトガルへの参戦を予定どおりに進めてきた。

 また、ヴェイビーとコドライバーのアンダーソンはポルトガルからスペインまで車で移動したが、これは地方自治体の定めた検疫規則への違反となる。

 このためヴェイビーは、5月23日〜11月23日までの6カ月間、WRCのすべてのイベントへの参加が禁止されることになり、事実上、今季全戦への出場資格を失ったことになる。また、検疫規則違反のアンダーソンは出場停止期間は8月21日までの3カ月間となる。

 スチュワードの書類には次のように記されている。

「ヴェイビー氏は5月20日木曜日に定められた抗原検査を受け、陽性反応があったため、1D NOWTM COVID-19分子迅速検査と通常のPCR検査で再検査を受けたが、いずれも陽性であった」

「接触者の追跡調査を行ったところ、コドライバーのヨナス・アンダーソンが唯一の濃密な接触者であることが判明した。ドライバーはホテルの部屋に隔離され、コドライバーは隔離されました。公衆衛生局(PHA)にも報告したがアンダーソンは、COVID-19の検査で陰性と判定されている」

「ヴェイビーは、ポルトガルの前週にCOVID-19陽性と判明した人物と密接に接触していたことを、FIA COVID-19代表者に申告しなかったが、これは、FIA ISCの付則S項のArt.6.18に違反しており、公衆衛生当局は、COVID-19陽性者はすべて10日間、自己隔離しなければならないとしているが、ヴェイビーはこれにも従うことなく、(陽性反応の出た)20日にスペインに向かっている」

「世界ラリー選手権とFIAは、FIA ISC付録S項が定める規定と感染拡大を防ぐためのプロトコルに厳格に従っている。ヴェイビーは、陽性と判明した人物との濃厚接触を報告せず、自身の陽性反応が出たあとポルトガルで10日間検疫を受けることになったにもかかわらずスペインに戻ったが、そのための許可はなく、また許可を求めることもしていなかった。これは、適用される規則に対する重大な違反である」

 ヒュンダイ・モータースポーツNも、スチュワードから次のような叱責を受けている。「世界ラリー選手権イベントへのエントリーに関連するすべての人員が参加に適しており、2021年の国際スポーティングコードを遵守できることを知ることは、ステークホルダーの責任である」

 また、エストニア出身のゲオルク・ニンナマエもコドライバー、ウラジミール・コルシアがCOVID-19検査で陽性だったためにラリー・デ・ポルトガルのWRC2への参戦を断念していたが、ポルトガルのスチュワードは、COVID-19の陽性反応を正しく申告していなかったことから、コルシアにはヴェイビーと同様に6カ月の出場停止処分を言い渡している。

 スチュワードによれば、コルシアはポルトガルに入国する前、5月13日木曜日にPCR検査を受け、この結果は陰性だった。しかし、規定で定められたとおりにポルトガル入国した16日日曜日に検査をしたところ陽性反応が出たが、コルシアは17 日月曜日、自らの判断で、抗原検査を 2 回と PCR 検査を受けたが、結果はすべて陰性であったため、ラリー・デ・ポルトガルのためのCOVID-19 認定センターにこの陰性の検査結果を提示し、16日の陽性検査結果を申告しなかったという。