WRC2021/05/11

三菱、ラリーアート・ブランドが11年ぶり復活へ

(c)Mitsubishi

 三菱自動車は5月11日に2020年度通期決算を発表、そのなかで「三菱らしさの具現化」として同社のモータースポーツ・ブランドである「ラリーアート」を復活させることを明らかにした。

 ラリーアートは三菱自動車のモータースポーツ活動を推進する会社として1984年に誕生、三菱ラリーアート・ヨーロッパとして世界ラリー選手権への参戦を行い、1996年から1999年にトミ・マキネンが三菱ランサーエボリューションを駆って4年連続でドライバーズ・タイトルを獲得、1998年にはマニュファクチャラー・タイトルも併せて獲得、通算34勝を飾っている。

 しかし、三菱は2005年にはWRC活動の休止を発表、さらに2009年2月にダカール・ラリーからの撤退を表明、4月にはモータースポーツの研究・開発の中枢ともいえるモータースポーツ部を廃止、さらに翌2010年3月末をもってラリーアートが解散、26年の歴史にピリオドを打っている。ラリーアートの名称は三菱自動車のモータースポーツ・ブランドとして残されることになったが、モータースポーツ活動がないままそのブランドはこれまで11年にわたって封印された形となっていた。

 いまのところラリーアート・ブランドの復活はただちに同社のモータースポーツへの復活を意味するわけではなさそうだが、同資料では、「三菱らしさを体感したいお客さまに向けて、モデルラインナップに純正アクセサリーの設定や、モータースポーツへの関与も検討しています」と説明しており、「環境」というキーワードのなかで「冒険心をかき立てるような圧倒的な走破性・耐久性」を鍛えるための場としてモータースポーツへの新たな参戦への機会が生まれることが期待されている。