ERC2020/11/03

今週末のERCハンガリーでいよいよ選手権は佳境に

(c)ERC

 2020年のヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第4ラウンドであるラリー・ハンガリーは、ブダペストの北東部に位置するスロバキアとの国境に近いニーレジュハーザをベースに今週末の11月6日〜8日に開催される。

 多くの国が新型コロナウイルスによってイベントの開催に影響があるなか、ラリー・ハンガリーでも観戦エリアは限定されたものの、4500人に観戦を認めたことは喜ばしいことであり、ニーレジュハーザの北西に位置するステージで、ファンはヨーロッパのトップラリードライバーたちの活躍を見ることができる。

 シーズンはラリー・ハンガリーを含めて残り3戦となっているため、今週末のエントリーリストには30台以上のトップレベルのRally2/R5マシンが出場することになった。その中にはERCポイント対象ドライバーが44名含まれる。総合優勝のほかにも、ERC2、ERC3、ERC1ジュニア、ERC3ジュニア、アバルト・ラリーカップのタイトルがかかっている。

 優勝候補の筆頭となるのは、42ポイント差という大差を築いて度目の王座にむけてリードを築いているサンテロック・ジュニア・チームから出場するアレクセイ・ルクヤヌク(シトロエンC3 R5)。そして選手権2位につけるオリヴァー・ソルベルグは今回はシュコダ・ファビアRally2エボにマシンをスイッチして挽回を狙う。
 
 さらにはチームMRFのクレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20 R5)、ニコライ・グリアジン(ヒュンダイi20 R5)といったレギュラーメンバーに加えて、トップカーズ・ラリーチームから出場するアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRally2エボ)やフランスチャンピオンのヨアン・ボナート(シトロエンC3 R5)といったビッグネームも出揃うことになった。
 
 また、期待の若手としてはフィンランドのエミル・リンドホルム(シュコダ・ファビアRally2エボ)、チェコのエリック・ツアイス(フォード・フィエスタRally2)、アイルランドのカラム・ディヴァイン(ヒュンダイi20 R5)にも注目する必要があるだろう。

 多くの国際的なトップドライバーに加え、多くのハンガリー人ドライバーが参戦しており、4度のナショナルチャンピオンであるノルベルト・ヘルチグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)にとっては前戦ラリー・ファフェ・モンテロンゴで表彰台に立っているだけに、母国戦での初の表彰台への期待が掛かっている。

 プロダクションカーカテゴリーのERC2は、共にタイトルリーダーであるティボール・エルディJr(三菱ランサーエボリューション)とゼリンド・メレガリ(スバルWRX STI)を筆頭に7名の強豪が参戦している。また、アバルト・ラリーカップでもアンドレア・マベリーニやマルティン・ラダなど今季最多の4名のドライバーが競う。

 ラリー・ハンガリーは、ERC1ジュニアとERC3ジュニアのスケジュールに初めて組み込まれたこともあり、才能を発揮したい若手ドライバーたちがニーレジュハーザに集結する。ERC1ジュニアでリードするソルベルグ、7ポイント差につけるヒュンダイ・ジュニア・ドライバーのグレゴワール・ムンステル(ヒュンダイi20 R5)のタイトル争いも注目だ。ERC3ジュニアのケン・トルン(フォードオ・フィエスタRally4)、ペップ・バサス(プジョー208 Rally4)、アマウリー・モルレ(プジョー208)は、ピレリがサポートするクラスで活躍している新星のほんの一部だ。

 ラリー・ハンガリーは全16ステージ、191.06kmで構成されている。2020年の新ルールでは、ERCイベントは4日以内での開催が義務付けられているため、イベント主催者はフリー走行や予選、シェイクダウンなどのスケジュールを組むことができなかった。そのため、2.4kmのSS1となるラボーシリング・ラリークロスコースを通過する金曜日の夜のオープニングステージは、イベントの準備期間中にテストを行うことができなかったドライバーにとって最初の機会となる。