WRC2019/08/27

勝田、ヤリスでのWRC初挑戦で総合10位

(c)Toyota

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 TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムの勝田貴元が、ラリー・ドイッチュランドにヤリスWRCでWRC初挑戦、総合10位でフィニッシュし、WRCドライバーズポイントを獲得した。

 勝田にとって、今回はWRCトップカテゴリーへの初挑戦だっただけでなく、ヤリスWRCでターマックラリーに出場するのも、ラリー・ドイッチュランドに出場するのも初めて。ドイツのステージは非常に特殊で、様々な特徴を持った舗装路で構成されたステージは、経験豊かなベテラン選手にとっても難しくトリッキーであるため、初出場の勝田にとっては大きなチャレンジとなった。

 今回、勝田は全てのステージを走り切り、ヤリスWRCとドイツのステージについて学ぶことを目標に置きラリーをスタート。他の選手のタイムを気にすることなく、リスクを排して経験を積むことだけに集中した。罠のような難しいセクションも注意深い走りで切り抜け、終盤のSS14アリーナ・パンツァープラッテでパンクによりタイムを大きく失うシーンもあったが、大きなミスをすることなく全てのステージを走破して、最終的には総合10位でフィニッシュ。目標である完走を果たしただけでなく、初のWRCドライバーズポイントも獲得した。

 勝田は非常に難しい戦いとなったドイツで目標だった完走を果たすことができたことを喜ぶとともに、多くを学び、自信を深めることができたと週末を評価している。

「自分にとっては全てが新しい経験で、本当に難しい週末でした。そのため序盤はかなりナーバスになり、簡単ではありませんでした。しかし、今回の唯一の目標だった完走を果たすことができました。チームの戦略に従いハードに攻めることはしませんでしたが、それでも難しいコンディションの道でWRカーがどのような挙動を示し、ドイツのステージがどのようであるかを学ぶことができました」

「路面コンディションは頻繁に変わり、タイヤがどれくらいグリップするのか判断するのは非常に難しかったですが、それでもこの週末に多くを学び、自信を深めることができました。自分のドライビングとペースノートの進化には満足しています。サポートしてくれたチームと、グラベルクルーとして本当に素晴らしい仕事で助けてくれた、ヤルッコ・ニカラとミッコ・マルックラに心から感謝します」

 TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムの監修を行うトミ・マキネンは、賢明な走りで10位で完走を果たした勝田を評価した。

「この週末、タカのドライビングはとても賢明で、本当によくやったと思う。時々遅れが大きくなる時もあったが、より経験豊富なドライバーに対し、1kmあたり1秒以下の遅れに留まることもあった。最難関のターマックラリーであるドイツ初出場で、しかもWRカーでターマックのステージを走るのも初めてだったことを考えれば、上出来だ」

「タカは他のドライバーのことを気にせず、ただ自分のラリーに集中していた。ほんの少しミスをしたが、それはごく普通のこと。今回は、これまで出場した他のラリー以上に多くを学んだので、WRカーによる次なるチャレンジ、ラリー・スペインではきっとその経験が活かされるはずだ」

 勝田の次戦は、10月3-6日に開催される第12戦ラリーGBとなる。勝田は過去ラリーGBへの出場経験がなく、今回はフォード・フィエスタR5でWRC 2カテゴリーに参戦することになる。そのあと、10月24-27日に開催されるラリー・デ・エスパーニャに彼はふたたびヤリスWRCで出場する。