JAPAN2021/09/14

勝田範彦がラリー北海道で今季全日本2勝目

(c)Takeshi Sakuma

(c)Takeshi Sakuma

 2021年全日本ラリー選手権第9戦ラリー北海道が9月11〜12日に行われ、TOYOTA GAZOO Racingの勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス)が今季2勝目を獲得した。

 秋晴れとなったラリー北海道の初日は、ヨーロッパ遠征とケガのために開幕ラウンドの新城ラリー以来の出場となった新井大輝/小坂典嵩(スバルWRX-STI)がベストタイムで発進、これを新井敏弘/田中直哉(スバルWRX-STI)が追い掛け、スバル勢が先行する形で始まることになった。

 しかし、新井大輝はSS3ヌプリパケでも首位をキープしたものの、エンジンの不調に見舞われてしまい、続くSS4ヤムワッカ・ショートでは3位にポジションダウン、代わって新井敏弘が首位に立ち、勝田が0.1秒差の2位で続くことになった。

 だが、迎えたSS5リクベツ・ロングで首位の新井敏弘は走行中に左フロントから出火、彼はマシンを止めて消火作業を行ったが、ここで無念のリタイアとなってしまう。

 これで首位に浮上した勝田はSS6ヌプリパケでベストタイムを奪ってリードを拡大、新井大輝に9.2秒差をつけて初日を終えることになった。

 初日とは異なり、小雨模様となった最終日も、勝田はベストタイムでスタート、初日に悩まされたエンジン不調が完全に直りきっていない新井大輝との差をその後もじわじわと引き離し、最終的に16.2秒差をつけて前戦ラリー・カムイに続いて2戦連続で優勝を飾ることになった。

 トヨタは、8月に予定された横手ラリーの中止によるおよそ2カ月のインターバルを利用して、ラリー北海道を想定した集中的なグラベルテストを行っており、勝田は駆動系の改善が進んだことが勝因の一つだったと語っている。

「チームがヤリスをどんどん改良してくれたことで、ラリーを通して気持ち良く走ることができた。今回はそれが一番の勝因だった」と勝田は語った。「前戦と比較すると、特に駆動系が改善したことで、高速コーナーでも躊躇なくアクセルを踏めるなど、素晴らしいフィーリングだった。チャンピオンの可能性も見えてきたが、一戦一戦大切に戦うことが大事で、結果は後からついてくると思う」

 また、JN-2クラスは上原淳/漆戸あゆみ(ホンダ・シビック)、JN-3は大竹直生/藤田めぐみ(トヨタ86)、JN-4は香川秀樹/松浦俊朗(ホンダ・シビック)、JN-5は天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ)、JN-6は吉原將大/石田裕一(トヨタ・ヤリス)がそれぞれ優勝を飾っている。

 次戦の全日本ラリー選手権第10戦M.C.S.Cラリーハイランドマスターズは10月15〜17日に岐阜県高山市周辺で開催予定となる。