JAPAN2021/10/19

勝田範彦がGRヤリスで全日本3連勝

(c)Takeshi Sakuma

(c)Takeshi Sakuma

 2021年全日本ラリー選手権第10戦M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズが10月15〜17日にかけて岐阜県高山市を拠点に開催され、TOYOTA GAZOO Racingの勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス)が優勝を飾ることになった。

 ハイランドマスターズは、昨年は新型コロナウイルスの流行のためにキャンセルとなったため2年ぶりの開催となる。6月に開催された第6戦モントレー以来、およそ4カ月ぶりターマックにむけて万全な準備を行ってきたという勝田がオープニングステージでのベストタイムでリードを奪うことになる。

 勝田はSS2でも連続してベストタイムを刻むことになったが、0.8秒差の2位で続いていた福永 修/齊田美早子(シュコダ・ファビアR5)がここでスピン、8位まで後退してしまう。それでも福永はそれ以降4連続でベストタイムを並べて勝田の17.6秒後方の2位へとポジションアップ、さらに0.1秒後方には柳澤宏至/保井隆宏(シュコダ・ファビアR5)が続いている。勝田もSS5ではこの日3つめとなるベストタイムを奪い、追いすがる2台のシュコダと対決という構図で初日のゴールを迎えることになった。

 最終日は雨模様の朝を迎え、SS7が路面のコンディションが悪化させたためキャンセルとなったあと、そしてこの日の最初のステージとなったSS8では逆転を狙う福永がベストタイムで発進、勝田の16.4秒差に続くことになる。

 しかし、迎えたSS9で福永はまたもスピンによって6.7秒をロス、ここでふたたびベストタイムを奪った勝田が23.1秒という大きなリードを手にすることになる。福永はSS10、11と連続してベストタイムを奪うも届かず、最終SSでこの週末、5つめとなるベストタイムを奪った勝田が3連勝を飾ることになった。

「今回は下りのステージが多く軽量のGRヤリスにとっても有利だったが、6月のモントレーと比較すると、特に駆動系の進化を感じる。ライバルのアクシデントに助けられた側面もあるが、最終日は厳しい追い上げもあって、難しいコンディションでも攻め続ける必要があった。この勝利によって選手権では有効ポイントでトップに立ったが、落ち着いて最終戦に挑みたいと思っている」と勝田はコメントしている。

 選手権リーダーを奪われたものの、初タイトルの可能性を残す福永が2位フィニッシュ、初日5位につけていた鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI)が最終日のウェット路面で速さをみせて3位にポジションを上げている。

 また、JN-2クラスはヘイッキ・コヴァライネン/北川紗衣(トヨタGT86 R3)、JN-3クラスは鈴木尚/山岸典将(トヨタ86)、JN-4クラスは西川真太郎/本橋貴司(スズキ・スイフトスポーツ)、JN-5クラスは小川剛/梶山剛(ホンダ・フィット)。JN-6クラスは山本雄紀/佐野元秀(トヨタ・ヤリス)がそれぞれ優勝を飾っている。
 
 次戦の全日本ラリー選手権最終戦の久万高原ラリー2021は、10月29〜31日に愛媛県久万高原町周辺で開催が予定される。