WRC2020/01/28

勝田貴元、ヤリスWRCでの初モンテで7位入賞

(c)Toyota

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 トヨタGAZOOレーシング・ラリーチャレンジプログラムの勝田貴元がラリー・モンテカルロに初めてヤリスWRCで参戦、自己最高位となる総合7位で完走し、自身2度目となるドライバー選手権ポイントを獲得した。

 ラリー・モンテカルロは、WRCの中でもっとも長い歴史と格式を誇るイベントであり、セレモニアルスタートをモナコ公国で行うなど華麗なイメージをもつが、毎年WRCカレンダーの中でもっとも難易度の高いイベントの一つだ。

 フレンチ・アルプスの麓のターマックはところどころに雪があり、濡れている路面は気温が下がると凍結するなど、路面コンディションが刻々と変化し、その路面に対応するため多くの種類のタイヤをコンディションに合わせて走るなど経験が必要となる。

 今年のモンテカルロは比較的穏やかな天気が続いたが、溶け残った雪やアイスバーンも多く、タイヤのグリップが安定して得にくいステージが多くあった。勝田は昨年、R5マシンでモンテカルロに初めて出場して完走を果たしているが、WRカーでの出場は今回が初めてとなるため、勝田は完走して経験を積むことを目標に注意深い走りを続けることになった。

 モンテカルロの経験が十分ではない勝田のために、かつてヤリスWRCでシーズンを戦ったユホ・ハンニネンが、クレイグ・パリーと共にセーフティクルーとして参加。競技が始まる前にハンニネンとパリーはステージを走行し、最新の路面状況を勝田とダニエル・バリットに伝えるなど、献身的に勝田をサポートした。

 勝田は、多くのベテランでさえ難しいコンディションのなかでミスをするなか、勝田は金曜日が終了した時点で総合7位につけ、そのあともミスをしないように注意深く走り続けたにもかかわらず、土曜日の朝には凍結した路面でクルマがスライドしてスノーバンクにヒット、フロントの開口部に詰まった雪を取り除くため停車を余儀なくされ、3分以上を失ってポジションを落とすことになった。

 しかし、勝田はそれ以降はペースと流れをじょじょにつかみ、リスクを負わないアプローチながら経験豊かなWRカードライバーに匹敵する好タイムを刻んでふたたび7位に順位を上げて、目標である完走を果たすことになった。

「多くの経験を積みながら、このラリーを完走できたことに満足しています。木曜日にラリーをスタートした時から比べると、大きく成長できたのではないかと思います」と勝田は週末をふりかえった。

「異なる路面コンディションや、違う種類のタイヤを履いた時に、どのようにドライブするべきか十分に学びましたし、クルマに対する理解もさらに深まりました。土曜日の朝の路面コンディションは非常に難しく、ミスをしてしまいましたが、その後気持ちを切り替えることができ、良いフィーリングを掴めました。自分がラリー終盤に刻んだタイムは、過去に何度も同じステージを走行した経験を持つ他のドライバーと比べても、良かったと思います。コドライバーのダン、グラベルクルーを務めてくれたユホとクレイグ、そしてチーム全員に感謝します。みんな、本当に素晴らしい仕事をしてくれました」

 勝田は今季、ヤリスWRCで、WRC8戦に出場する計画となっており、次戦戦は、2月13日から16日にかけて開催予定の第2戦ラリー・スウェーデンへの参戦が予定されている。