ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第4戦のバルム・チェコ・ラリー・ズリーンが、27日金曜日の夜にズリーン市の市外地で行われたスーパーSSで開幕、アグロテック・シュコダ・チームのヤン・コペツキ(シュコダ・ファビアRally2エボ)がトップタイムをマーク、トーク・スポーツWRTのアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRally2エボ)に0.2秒差をつけて初日をリードした。
記念すべき50回目のチェコ・ラリー・ズリーンは伝統にしたがって、今回も日没後にズリーン市のスーパーSSで開幕した。雨は上がっているものの、石畳とアスファルトの路面はところどころ湿っているトリッキーなコンディションとなっており、ズリーンで9度の優勝を経験しているコペツキが数千人もの観客に見守られるなかでトップタイムで発進した。「ステージはファンで満員だったよ。本当に素晴らしいステージだった。明日から本格的なラリーが始まるので、ここではただ多くのタイムを失わないようにした」
0.2秒差の2番手には予選トップのミケルセンが続き、3.4秒差の3位には今季、オーストリア選手権で3勝を飾って選手権をリードしているシモン・ヴァグナー(シュコダ・ファビアRally2エボ)がつけることになった。
3.7秒差の4位にはORLENチームのミコワイ・マルツィック(シュコダ・ファビアRally2エボ)、予選2番手タイムと速さをみせたヤッコACCRチームのエリック・ツアイス(フォード・フィエスタRally2)は柔らかすぎるタイヤを選んだためにハーフスピンを喫して6秒差の5位でスタートを切ることになった。2019年のERC1ジュニア王者のフィリップ・マレシュ(シュコダ・ファビアRally2エボ)は5番手タイムだったものの、スタート前のTCに遅れたため10秒のペナルティを科されて15.6秒差の15位で初日を終えている。
トーマシュ・コストカ(シュコダ・ファビアRally2エボ)はパンクのために7番手、エフレン・ヤレーナ(シュコダ・ファビアRally2エボ)が8番手につけている。チームMRFタイヤの初戦を迎えたヒュンダイ・ジュニアドライバーのヤリ・フットゥネン(ヒュンダイi20 R5)は慎重なスタートを切り10番手となっている。
ERCジュニアはケン・トルン(フォード・フィエスタRally3)がリード、オスカー・ソルベルグ(フォード・フィエスタRally3)は13.7秒遅れとなっている。ERC3ジュニアはジャン-バティスト・フランセスキ(フォード・フィエスタRally4)がリード、10.2秒差でサミ・パヤリ(フォード・フィエスタRally4)が続く展開となっている。
初日はこの1ステージのみとなり、レグ1は土曜日の朝9時31分に行われるブジェゾヴァー・ステージで本格的な競技がスタートする。金曜日の夕方にズリーン市の中央広場で行われたスタートオーダーセレクションで、予選トップのミケルセンは、土曜日のセクション2を1番手のポジションでスタートすることを選択、2番手タイムのツアイスも2番手、3番手タイムのコペツキも3番手スタートをチョイス、以降のドライバーもそれにならって前方からのスタートを選択している。
「簡単な選択ではなかった。グラベルが多いステージでは路面のクリーニングが必要なので、ドライのコンディションのままならもう少し後ろのスタートの方がいい。でも、雨が降ってウェットコンディションになったら、後ろの人のために泥を道路に引きずり出すことができるので、最初に走るのがいい。おそらくウェットになると思うが、どうなるだろうね」とミケルセンはスタート順選択を迷ったと語っている。
金曜日の夜は曇り空だが、気温は10度まで下がって寒い夜を迎えようとしており、土曜日の午前中からズリーン市には冷たい雨が降り、気温が18度以上になることはないと天気予報は報じている。