ERC2021/06/16

新しいERCジュニア選手権がポーランドでスタート

(c)M-Sport

 今季のヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)の開幕戦として6月18〜20日に行われるラリー・ポーランドにおいて、新しいERCジュニア選手権がスタートを切る。

 ERCジュニア・カテゴリーは、これまでR5/Rally2マシンによるERC1ジュニア選手権として行われてきたが、2021年以降はERCジュニア選手権へと名称を変更、2WDから4WDへのステップアップする若手の足がかりとして新たにRally3マシンで行われる。

 コストパフォーマンスに優れた新しいエントリーレベルの4WDラリーカーとして注目されるRally3は、現在のところMスポーツ・ポーランドが製作したフォード・フィエスタRally3のみがFIAホモロゲーションをもっている。フィエスタRally3は3月末にホモロゲーションを取得したあと、4月に行われたWRCクロアチア・ラリーにおいてハンガリーのラスロー・ゾルタンが国際競技にデビューさせている。

 Mスポーツ・ポーランドにとってのホームイベントとなるラリー・ポーランドでは6台のフィエスタRally3がERCデビューを果たすことになっており、そのうちエストニアのケン・トルンと英国のジョン・アームストロングの2人がERCジュニア選手権の開幕戦にエントリーしている。昨年、ERC3ジュニアタイトルを獲得したトルンは、その特典として今年のERCジュニア選手権に出場するチャンスを手にすることになった。

 ERCジュニア選手権は、Mスポーツ・ポーランド、ピレリ、ERCプロモーターの提携による新しい育成のスキームであり、今季のERCジュニア選手権王者には2022年に世界ラリー選手権のサポートカテゴリーであるジュニアWRC選手権へのフル参戦プログラムが提供されることになり、この参戦資金をMスポーツ・ポーランドが全額負担することになっている。

 Mスポーツのマネージング・ディレクター、マルコム・ウィルソンは次のように述べている。

「Mスポーツ、Mスポーツ・ポーランド、そしてERCの歴史的な瞬間に立ち会うために、私もチームとともにミコワイキのサービスパークに行くつもりだ。若いドライバーがラリーに参加するための手頃な機会を見つける方法を開発することは非常に重要であり、フィエスタRally3はそのような機会を提供できると考えている」

「フィエスタRally3が、ケンとジョンの将来有望な若手によって、ポーランドでERCデビューするのが待ち遠しいよ。ERCジュニアは素晴らしいカテゴリーであり、若いドライバーがランクアップするために必要な4輪駆動マシンの経験を積むには、コストパフォーマンスが高い」

「フィエスタRally3はジュニア・ドライバーだけを対象としているわけではなく、国内選手権レベルのマシンとしても非常に適しており、4輪駆動のラリーを楽しみたい方には最適なマシンだ」

 また、ラリー・ポーランドではERC3ジュニア選手権も開幕する。ERC3ジュニアは昨年と同様にRally4またはRally5の2輪駆動マシンでエントリーが可能となり、ポーランドには12台がエントリーしている。

 ERC3ジュニア王者には、フォード・フィエスタRally3のステアリングを握って2022年にERCジュニア選手権の3戦に出場する特典が与えられるが、フィエスタRally4を使用して王者を獲得した場合にはERCジュニア選手権の6戦への参戦のチャンスが贈られる。そのため開幕戦にエントリーした半数の6台が、フィエスタRally4を選択している。