WRC2020/01/28

雪不足スウェーデン、開催できるか2月3日最終判断

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 2月13-16日に予定されるラリー・スウェーデンは、温暖な気候による深刻な雪不足のためキャンセルの危機に直面している。

 スウェーデンのヴェルムランド地方には昨年からあまり降雪がなく、暖かい陽気が続いていることから、ラリー・スウェーデンのステージが予定されている道路もほぼ全域で雪がなく、凍結もなく柔らかいグラベルが露出しているとの情報がある。

 スウェーデンの金曜日のルートに近いエリアで2月1日に開催が予定されていたノルウェー選手権第2戦ラリー・フィンスコグは、先週、すでに雪不足を理由としてキャンセルを発表していることから、スウェーデンがキャンセルされるかもしれないとの憶測も囁かれてきた。

 WRC TVレポーターの1人であるモリー・ペティットは、ラリー・モンテカルロのライブ中継において、ラリー・スウェーデン主催者のグレン・オルソンがモナコを訪れてFIAとミーティングを行い、現在の状況について説明をしたと報じている。2月上旬に開催エリアには北から寒気が到来するとの予報もあることから、主催者は現在、開催にむけた準備を行いながら、ラリーがスタートする10日前の2月3日に開催できるかどうかについて最終判断を行うという。

 また、フランス・メディアのラリースポールは、FIAラリーコミッションの副委員長であるティモ・ラウティアイネンの言葉を引用して、主催者は気温が下がれば氷のレイヤーを人工的に作るために毎日ルートに散水を行う計画をもっていると報じている。これは同じく暖冬によって開催が懸念された2016年にも主催者はコースを補修するための措置として行ったものだ。

 スウェーデン南部の「ヴェルムランド」は暖かい国を意味しており、ラリー・スウェーデンは1990年に暖冬と雪不足によってキャンセルに追い込まれて以降、再三にわたって開催の危機に見舞われるたびに北部のラップランドまで北上するアイディアを検討してきたとされている。しかし、ラリー・スウェーデンは歴史を遡れば1950年代からヴェルムランド地域のモータースポーツクラブの協力で運営が行われ、200万ユーロと言われる開催予算の大半をハグフォース市からの資金協力によって賄っていることから、主催者がこの地を離れることは事実上不可能だと言われている。