WRC2020/04/26

2日間イベント導入へ弾み? 規則変更も柔軟に

(c)Toyota

 FIAは23日、モータースポーツにとっても歴史的な危機的状況を乗り切るために、より迅速に規則の変更を行えるようにする措置をワールドモータースポーツカウンシル(WMSC)が承認したことを発表した。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響から今後のモータースポーツを保護するために、FIAはふたたび規則プロセスを変更する。以前発表された特定の選手権のスポーティング・レギュレーションおよびテクニカル・レギュレーションへの変更に加えて、WMSCは、FIAが関係するすべての選手権およびカップについて国際スポーティングコードへのセーフガード(緊急措置)条項の導入を承認した。

 セーフガード条項は、個々のFIA選手権、FIAカップなどの規定を修正するためには全競技者の満場一致の合意を必要とする現在の要件を打開し、特定の例外的な状況下ではFIAが通知期間を短縮し、関係するFIA選手権、FIAカップなどに参加する過半数の競技者の同意を得て、規則を変更できるようになる。

 現在、WRCをはじめとしてすべての選手権がCOVID-19のパンデミックによって中断している状況にあり、再開の時期もはっきりしているわけではない。だが、あまりにも多くのイベントが延期に追い込まれていることから、仮に再開になったとしても既存の規定では今季のカレンダーを保護することはできないことが明らかであったため、FIAはこのような規定の変更に踏み切ったのだろう。

 WRCでは、すでにアルゼンチン、ポルトガル、サルディニアが延期となっており、サファリも7月の開催が困難な状況にあると考えられている。しかし、延期になったすべてのイベントをシーズン後半に押し込んで開催することは、これまでのルールで定められたイベントのフォーマットでは不可能であると考えられてきたが、こうした変更により、2日間の短いイベントを許可するなど柔軟かつ素早い規定変更が可能となりそうだ。

 今回更新された条項は次のとおり。
18.2.4条 該当する選手権、カップ、トロフィー、チャレンジまたはシリーズにおいて参加するすべての競技者の満場一致の合意が得られた場合、上記よりも短い通知期間が適用される。ただし、例外的な状況において、FIAが変更が求められていることが、選手権、カップ、トロフィー、チャレンジ、またはシリーズの保護にとって不可欠であると考える場合、参加する競技者の過半数の同意で十分とする。