RallyCross2018/12/13

EKSチーム、世界RXから撤退を決定

(c)FIAWorldRallycross.com

 マティアス・エクストロームは、彼が率いてきたEKSラリークロス・チームが来年のシリーズへの参戦を行なわず、これまで走らせていたアウディS1スーパーカーを売りに出すことをチームのSNSのビデオを通じて発表した。

 EKSチームのオーナーとともにドライバーを務めてきたエクストロームは、アウディ・スポーツからのワークス支援を失ったことを受け、先月、南アフリカで開催された最終戦の直後にフルタイムドライバーとしての世界RXからの引退を発表している。

 そして今回、2度のDTM王者である彼は、2014年に世界RXへの参戦を開始し、その2年後にドライバーズとチーム双方のタイトルを獲得してきた彼のチームが、2019年シーズンはこのスポーツにおいての活動を休止することを明らかにしている。

「これ以上にないほどの多大なサポートを受けながら、思いきり楽しみ、最高のチームと、我々のパートナーたちからの素晴らしい支援に恵まれたアメージングな5年間を経て、我々は活動休止するという決定に至り、2019年のグリッドには戻ることはなくなった」とエクストロームは語った。

「2014年にEKSを立ち上げた時の僕の夢は、自分がそんなチームのドライバーとして活躍したいと、ずっと夢に描いていたようなチームを作り上げることだった。それはまず、白い(カラーリングの)チームに最高の人材、最高にかっこいいブランド、最高のパートナーと最高のクルマを集めることを意味していた」

「新しいバージョンとなったアウディS1は、このプロジェクトにとっての夢のクルマだった、そして5年経った今言えるのは、それが成功だったということだけだ」

 エクストロームは、ホリエスでのチームにとってわずか3回目のイベントで勝利し、彼らにとっての最初のシーズンにタイトルを獲得している。そしてその後2シーズンは、ヨハン・クリストファーソンに続く2位で終えている。

「2014年にEKSがスタートした時は自分たちはプライベート・チームだった。そして2017年と2018年にはアウディのワークス支援を受けられることになった。それは我々にとって素晴らしいことで、EKS、私、そしてドライバーの皆を信頼してくれたアウディに本当に感謝していることを伝えたい、そして最終的に王者1回、2度の2位を掴むことができたことをとても誇りに思う」

 2018年に彼のチームメイトとなったアンドレアス・バックルドは、2017年にフォード支援を受けていたケン・ブロックのフーニガン・レーシングがシリーズから撤退した後シートを失っていたが、バックルドのEKSに活路を見いだし、今季は3位となっていたが、チームの活動休止によりふたたびシートを喪失することになった。エクストロームはバックルドに対して申し訳ない気持ちだと明らかにしている。

「アンドレアス、君のプログラムがこうしてカットされてしまうことになってまた申し訳なく思っているよ。君はちょっとツキに恵まれなかったということもあるが、懸命に努力してきたことは必ず報われるはずだ。だから友よ、幸運を祈っている」

 アウディ・スポーツとの連携で、EKSは今年2018年仕様のS1を開発し、これまでの5年間にわたるプログラムの間には合計8台のクルマの製作を行ってきた。エクストロームは、彼のチームとしては、S1の新たなオーナーたちのためのサポートは引き続き行っていくが、EKSの自らの先行きについてはまだ不透明なままとなっている。

「我々は自分たちのクルマを売りに出すことになるが、新しいオーナーたちが我々と同様にクルマを思いきり楽しんでくれることを強く願っている。EKSは新しいオーナーたちに対し、彼らが成功を掴み、何かのトロフィーを手にできるよう、確実にサポートを続けていくことになる。この先何がもたらされることになるのかは我々にはまだ分からない」