ERC2019/07/01

ERCポーランド、ルクヤヌクが今季初優勝

(c)ERC

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 ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第4戦ラリー・ポーランドは、サンテロック・ジュニア・ラリーチームのアレクセイ・ルクヤヌク(シトロエンC3 R5)がワンマンショーをみせて今季初優勝を飾ることになった。開幕の2戦を連続してノーポイントで始まったルクヤヌクの今シーズンだが、この一戦でフルポイントを獲得したことで選手権でも11ポイント差の2位へと浮上、連覇への望みをつなぐことになった。

 ルクヤヌクはポーランドの初日、パンクやダンパートラブルに見舞われながらも高速ステージで圧倒的な速さをみせて、2位につけるヒュンダイ・モータースポーツNのヤリ・フットゥネン(ヒュンダイi20 R5)に40秒のリードを築いて最終日を迎えることになった。

 ルクヤヌクにしては慎重すぎるペースで始まった最終日だが、2つめのステージで彼はコースにかき出されていた石をヒット、右フロントをバーストさせることになってしまった。これで16秒を失ったため彼のリードは23.4秒へと減ることになったが、そのあと4ステージ連続してベストタイムを重ねて、フットゥネンに59.8秒の大差をつけて今季初勝利を飾ることになった。

「朝のステージではライン上にあった石にヒットしてしまい、小さな衝撃があったがすぐにエアが完全に失われてしまったんだ。だから、そのあとも僕はいっそう慎重にゴールを目指すことに集中したんだ。舞台裏で非常に多くのストーリーがあった週末だった。でも、最終的にはやり遂げることができたよ」とルクヤヌクはステージエンドで喜びを語っている。

 ルクヤヌクの速さを前に、ミスをしないでポジションをキープすることに集中して最終日に挑んだフットゥネンは、最終ステージでアンチロールバーのトラブルに見舞われながらもポーランドでは昨年に続いて2年連続しての2位ポディウムを獲得している。

 3位をめぐるバトルは多くのドラマが発生するなかで、最終的に選手権をリードするスポーツ・レーシング・テクノロジーズのウーカシュ・ハバイ(シュコダ・ファビアR5)のものとなった。

 初日を3位で終えたACCRチェコ・ナショナルラリー・チームのフィリップ・マレシュ(シュコダ・ファビアR5)はSS12のパンクで4位へと後退、最後までハバイをプッシュしたが表彰台はならなかった。それでも彼はERC1ジュニア・カテゴリーでの勝利を飾り、選手権リーダーのクリス・イングラム(シュコダ・ファビアR5)がラジエータからの水漏れのためにリタイアとなったためにタイトルコンテンダーの一人へと勇躍することになった。

 マレシュの後方4位で最終日を迎えたシュコダ・ポーランドのミコワイ・マルツィック(シュコダ・ファビアR5)もポディウム候補の一人として見られていたが、彼もマレシュと同じくSS12のパンクとホイール破損のために最終的には9位に終わることになった。

 3位ポディウムに立ったハバイの18秒後方の6位で最終日を迎えたチームSTARDの新井大輝(シトロエンC3 R5)は、4番手タイムと5番手タイムを並べて速さをみせていたが、SS12の滑りやすいコーナーで横転、ERC1ジュニアの2戦目は無念のリタイアとなってしまった。

 また、2017年ERCジュニアU28王者のマリヤン・グリーベル(シュコダ・ファビアR5)も6位でのフィニッシュを目前に最終ステージで横転してリタイアとなっている。

 ERC2選手権はホアン-カルロス・アロンソ(三菱ランサーエボリューションX)が初日のリードを守って圧勝、フィアット124 アバルトRGTによるアバルト・ラリーカップはアンドレア・ヌチータが優勝を飾り、ERC3ジュニア選手権ではエストニア・オートスポーツ連盟がサポートするケン・トルン(フォード・フィエスタR2T)が前戦リエパーヤに続いて2連勝を果たしている。