ERC2020/11/18

ERC最終戦に予定されたスパ・ラリーがキャンセル

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 今季のヨーロッパ・ラリー選手権は、シーズン最終戦として予定されていたベルギーのスパ・ラリーがキャンセルとなったため、来週のラリー・イスラス・カナリアスで決着することになった。

 スパ・ラリーは、F1ベルギーGPでも知られるスパ・フランコルシャン・サーキットやフランコルシャンの田園地帯のターマックを舞台に12月12〜13日に開催が予定されていた。しかし、スパのソフィー・デレトル市長とリエージュ州のエルベ・ジャマール州知事は、ベルギーの健康状況と、必要な安全対策が評価した結果、現在のCOVID-19の状況ではイベントの開催を承認できないという見解で一致、スパ・ラリーの主催者であるDGスポーツは開催を断念することになった。

 本来であればこの週末には世界ラリー選手権の初のベルギー・ラウンドとしてイープル・ラリー・ベルギーの開催が予定されていたが、それに続いてキャンセルとなってしまった。

「イベント主催者のDGスポーツの素晴らしい仕事とプロフェッショナリズムにもかかわらず、私はスパ・ラリーの延期を要請せざるを得なくなった。観光、文化、モータースポーツはスパのDNAの一部だが、現在、私たちが経験している健康危機は危険を伴うものであり、非常に慎重にならざるを得ない。私たちのすべての活動に影響を与えるこの健康状態に深く悲しみを感じている。今回の第2波の流行を受けて、安心して生活を再開できることを心から願っている」とスパのデレトル市長は語った。

 また、スパ・ラリーの主催者であるDGスポーツのクリスチャン・ユプサンは次のように述べた。

「昨年3月に引き続き、スパ・ラリーの開催を延期せざるを得なくなったことは非常に残念だ。この場を借りて開催のために努力してきたチームに敬意を表したい。また、スパ市をはじめとする自治体や団体の皆様のご支援とご信頼に感謝したい。あとは、この困難な1年を振り返りながら、2021年にはさらに魅力的なイベントを提供できるようにエネルギーを注ぎ込むだけだ」

 ERCのコーディネーターであるジャン・バティスト・レイは次のように述べている。

「スパ・ラリーの開催を2021年に延期する以外に選択肢はなかったことを、DGスポーツと一体となって重く受け止めている。クリスチャン・ユプサンとDGスポーツのチームは、スパ・ラリーを2020年のカレンダーに残すために可能な限りのことをしてくれたが、今はすべての人の健康と安全が最優先されなければならない」

「今回の決定がもたらす失望感と困難を共有する一方で、前例のない厳しい時代に5戦のカレンダーとなる2020年に何が達成されたかをふり返らなければならない」

 スパ・ラリーの中止によって、来週末に行われるシリーズ第5戦のラリー・イスラス・カナリアスが今季最終戦となる。