JAPAN2021/07/05

GRヤリスの勝田が全日本今季初優勝

(c)Takeshi Sakuma

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 全日本ラリー選手権第7戦ARKラリー・カムイが7月3〜4日に行われ、勝田範彦/木村裕介(トヨタGR ヤリス)が最終ステージまでもつれた接戦を制して今季初勝利を飾ることになった。開幕戦に続く2勝目を狙った新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)は惜しくも0.7秒差の2位となっている。

 昨年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて中止となったARKラリー・カムイは今季、観戦者数には制限がなされたものの観客がステージへと戻り、2年ぶりの開催を祝うことになった。

 今季初のグラベルラウンドとなるラリー・カムイは初日、3戦連続勝利を飾って選手権をリードする福永 修/齊田美早子(シュコダ・ファビアR5)が一番手スタートによる路面掃除で出遅れるなか、スバル勢の対決でスタートすることになった。

 オープニングSSのベストタイムで首位に立ったのは鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI)。しかし、SS2-3では新井が連続してベストタイムを奪って首位を快走する。しかし、新井は午後のループではインタークーラーのウォータースプレーに問題を抱えてペースダウン、鎌田が初日をトップで折り返すことになり、2.4秒差の2位にはSS4-5で連続してベストタイムを奪った勝田が浮上、新井は首位から6.4秒差の3位で続くことになる。

 ラリー・カムイの最終日は、勝田のベストタイムでスタート、0.7秒差で鎌田から首位を奪って始まることになった。ラリーリーダーとして一番手のポジションでスタートした鎌田は、路面掃除でペースを落としただけのようにも思われたが、センターデフの不調からトラクションをじょじょに失ってしまい、SS8では致命的ともいえる11.1秒をロス、首位争いから脱落して3位へと後退してしまう。

 鎌田が脱落したあと、初日のトラブルを解消した新井がSS8、9で連続してベストタイムを並べ、勝田から首位を奪い返すことに成功するも、その差はわずか0.3秒にしかすぎない。

 サービスを挟んで2回目のループになると二人の攻防はさらに激しさを増す。SS10では新井と勝田は同タイムでベストタイムを分け合ったあと、SS11では勝田が0.5秒差をつけて逆転で首位へと浮上、さらに彼は最後のSS12でこの週末6つ目となるベストタイムで勝負を決め、0.7秒差で逃げ切って今季初優勝を飾ることになった。トヨタGRヤリスにとってもこれが記念すべき初勝利となった。

 鎌田は首位から32.9秒遅れの3位でフィニッシュ、3分8秒遅れの4位には眞貝知志/安藤裕一(トヨタGRヤリス)、選手権リーダーの福永は5位にとどまった。

 また、JN-2クラスは、ヘイッキ・コヴァライネン/北川紗衣(トヨタ86 R3)、JN-3クラスは大竹直生/藤田めぐみ(トヨタ86)、JN-4クラスは香川秀樹/松浦俊朗(ホンダ・シビック)、JN-5は天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ)、JN-6クラスは吉原將大/石田裕一(トヨタ・ヤリス)がそれぞれ優勝を飾っている。

 全日本ラリー選手権の次戦は8月20〜22日に予定される第8戦横手ラリー2021となる。