Mスポーツ・フォードは、4月22日〜25日に開催される次戦のクロアチア・ラリーに最新スペックのエンジンを搭載したフォード・フィエスタWRCを投入する。
Mスポーツは、昨シーズンのラリー・アルゼンチンで新エンジンを導入する予定だったが、新型コロナウイルスの大流行がカレンダーに影響を与え、エンジンのペアリングの変更とイベント減少に伴い、エンジンに余りがでてしまったことから新エンジンの投入を保留している。この判断は今年の夏以降、今後5年間にわたってエンジン開発が凍結されることが決まったことも影響されたと見られている。
Mスポーツのマネージング・ディレクターであるマルコム・ウィルソンは、新エンジンのスペックについては明かさなかったものの、こうした将来を見据えた開発が整い、デビューさせる準備がすべてできたと語っている。
「このエンジンはいい一歩になった。作業としては燃料噴射とシリンダーヘッドに重点をおいて行なってきた」とウィルソンは語った。
「もっとパワーを秘めているはずだ、トップエンドのパワーという部分ではね、でもあなたと数字について話すつもりはもちろんない。まあつまりは、ドライバーたちはとても喜んでいるということだ」
新エンジンについては、すでに今年のラリー・モンテカルロやアークティック・ラリー・フィンランドのためのプレテストで使用されていたため、ドライバーたちはその感触をつかんでいる。
Mスポーツ・フォードのテーム・スニネンは、「いい感触だ、パワーの違いを実感できる、テストでこれを走らせることができたのは良かった、でもそれをラリーで走らせることが出来るようになれば本当にいいんだけどね」と語っていた。
スニネンは来月のクロアチア・ラリーではフィエスタWRCは使用しないが、フランスのアドリアン・フールモウとガス・グリーンスミスがこの新しいエンジンを競技で使うことになる。スニネンは今年、フールモーとフィエスタWRCをシェアすることになっているため、この新エンジンを競技で使うにはしばらく待たなければならない。
ウィルソンは、この新エンジンが2022年のRally1カーに搭載されるエンジンの最終仕様ではないことを明言している。
「Rally1カーのエンジンは、まだまだこれからだ。ホモロゲーションのカットオフは7月なので、このエンジンにはまだ作業が残っている。内部的にも重要な作業が控えているからね。いまのところは、Rally1カー時代に向けたエンジン開発計画のための作業は半分にすぎない」