RallyCross2018/12/15

PSRXフォルクスワーゲン、世界RX参戦を休止へ

(c)PSRX

 PSRXフォルクスワーゲン・チーム・スウェーデンは、相次ぐライバルチームの撤退によって、来シーズンの世界ラリークロス選手権に参戦しないことを決定した。

 ペター・ソルベルグがオーナーを務めるPSRXフォルクスワーゲン・チーム・スウェーデンは、フォルクスワーゲン・モータースポーツの支援によって2017年から選手権に参戦、2年連続してチームタイトルを獲得するとともに、ヨハン・クリストファーソンも2年連続してドライバータイトルを獲得、とくに今季は全12戦のうち11勝を獲得するという空前の記録でシーズンを席巻した。

 だが、プジョー・スポールの世界ラリークロス選手権からの撤退に続き、オルスベルグMSEの活動休止、アウディ・スポーツの支援を失ったEKSチームが参戦を中止したことによって、この2年間で24戦のうち19勝を飾ったPSRXチームもチームが存続する理由を失うことになったと、チーム代表のパニラ・ソルベルグはリリースのなかで述べている。

「本当に残念なことですが、シリーズに参戦するチームの数が減ったため、2019年の選手権にチームが残ることは不可能になった」とパニラ・ソルベルグは語った。

「このチームが達成したことに、私たちがどれくらいの誇りを持っているかとても信じてもらえないかもしれません。私たちには2年前に参戦チームがなかったにもかかわらず、数週間と数日でチームを作ってそこから何を成し遂げることができたのか、とても信じられないものです。チーム、パートナー、フォルクスワーゲン・モータースポーツ、フォルクスワーゲン・スウェーデンのメンバーたちに、2017年から2018年までの支援に感謝したいと思います。素晴らしいストーリーを一緒に書きました。このことは決して忘れないでしょう」

 フォルクスワーゲン・モータースポーツのディレクター、スヴェン・スミーツは次のように述べている。

「この2年間で、アウディ、フォード、プジョー、フォルクスワーゲンの間で繰り広げられた競技は激しく、モータースポーツで最も偉大なドライバーたちによって大接戦の戦いが繰り広げられてきたなかで、PSRXフォルクスワーゲン・スウェーデンは大きな成功を収めることになった」とスミーツは語った。

「だが、残念なことに、世界ラリークロス選手権のワークスチームおよびワークサポートチームが3チームも撤退したことにより、状況は劇的に変化したため、PSRXとスウェーデンのフォルクスワーゲンとともにチャンピオンシップを戦うことについて、我々はその関与を再評価しなければならなかった」

「この決定は簡単なものではなかったが、来シーズンのエントリーと競技に関する不確実性が大きいため、我々は2019年の世界ラリークロス選手権への参戦を継続しないという合意に至った」

 スミーツは、2021年に世界ラリークロス選手権をEVマシンに切り替えようと提案した一人であり、彼はフォルクスワーゲンが今後もEWRXの可能性に注視していると述べている。

「当然、フォルクスワーゲン・モータースポーツは、ラリークロスのスポーツの電気化に向けたあらゆる進展を注視するだろう。当初から、我々はこのイニシアチブを支持しており、引き続き興味を持っている」

 2年連続してチャンピオンを獲得したクリストファーソンも2019年には選手権に出場しないことを表明しており、ペター・ソルベルグもあくまでもチーム活動の一時的な休止にすぎないと語った。

「PSRXフォルクスワーゲン・スウェーデンが2019年に続けるのは賢明ではないが、重要なことは、これは一時停止であり、終わりではないということだ」とソルベルグは語った。

「僕らはまだ世界RXの未来を信じているし、まだこのチャンピオンシップが世界のどこでも、持続可能で、競争力のあるレースを提供できると信じている。僕らはチームの素晴らしいスタートを築くために未来を見据えている」

 ソルベルグは2019年についてはPSRXチームがラリーへの参戦プログラムをもつ可能性を示唆しており、フォルクスワーゲン・ポロGTI R5によるWRC2プロ選手権への参戦の可能性も噂されている。

「チームとして、僕らは継続して協力していくし、これについては今話すことはできないが、新年になったらさらに話すこともできるだろう」

「未来をつくるために、2019年の初めにこれらのエキサイティングな計画をみなさんにお伝えできることを楽しみにしている。その計画には、私がフォルクスワーゲンのマシンに乗ることも含まれている!」