WRC2020/03/22

WRCの再開イベントは4月10日に判断

(c)Hyundai

 FIAとWRCプロモーターは、世界ラリー選手権の再開イベントについては各国政府の措置に基づいて4月10日までには判断するようだ。

 新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大によって、F1グランプリが5月末までに開催を予定していた開幕からの7戦すべてが延期か中止となるなか、世界ラリー選手権については4月13-16日に予定されていた第4戦ラリー・アルゼンチンのみが延期となっただけで、5月21-24日に開催される次戦のラリー・デ・ポルトガルの主催者もこれまでのところ沈黙を守っている。

 3月21日現在、ポルトガルのCOVID-19感染者の数は642人と少ないが、6月4-7日にラリー・イタリア・サルディニアが開催されるイタリアでは3万5700人を超える感染者が出ていることから、収束時期などについての見通しを立てるのはまだ困難な状況にある。ヨーロッパ圏内でのWRC再開については、これらの感染レベルの目に見える沈静化や17日から始まったEU圏内の入域制限や集会の制限などについて政府レベルの新たな見解を待たなければならない状況だ。

 WRCプロモーターのオリヴァー・シースラは、政府レベルでの明確なガイダンスが得られるまで現段階ではこれ以上の決定は行わないとコメント、COVID-19の流行を引き続き注視し続けるとアナウンスしているFIAと連携を保ちながら4月の最初の週が終わった頃に今後のカレンダーに関するさらなる判断を行う予定だ。

「現時点では、次戦に予定されるポルトガルを含めたすべてのイベントが通常のように開催の準備を続ける。これには、6月にイタリアのサルディニア島で予定されているラリーも含まれる」とシースラは語った。

「我々の次の締め切りは、ほとんどの政府が国の状況について新しい見解と新しい決定を発表する4月の最初の週を待つことになる。これは、今後のプランを立てるために必要な基礎データとなる。他のすべてのことは今は無関係だ」

 シースラは、メキシコのイベント前に判明していた情報とCOVID-19のメキシコ国内での感染状況を考えると、ラリーを開始するという決定は正しいものであったと語った。

「この地域では症例がゼロだったので、イベントを開催した地域の状況においては、政府が人々が集まることを禁止するような兆候はなかった」

「これは運営機関であり、データベースからは、グアナフアトとレオンの地域で人々が集まるイベントを開催してはならないと示唆するものはなかった。我々はそれに沿った判断をした」

「開催の決定を下すのは開催都市だ。一旦イベントが組織化されたら、たとえ主催者またはFIAであっても、中止を決定することはできない。私はカメラを設置しないと決めたり、FIAはスポーティングレギュレーションを撤回したりすることは出来るが、地元がイベントを継続したい場合は、主催者はイベントを継続する。それは彼らの場所であり、彼らだけが開催を取りやめることができる」

 いっぽう、延期が決まったアルゼンチンについては、いまのところ開催を可能とする新しいスケジュールが見つかってない状況にある。欧州圏外イベントで使用されるチームの機材はこのあとアルゼンチンが本来ゴールする予定だった4月末にはすべて7月に開催されるサファリ・ラリーのためにケニアに向けて輸送されることになっており、この機材はその後、9月のニュージーランド、11月のジャパンで使用されることになっている。同じ機材を使用しようとする限り、ふたたびアルゼンチンにこれらを輸送して開催が可能になるのは12月末という非現実的なスケジュールとなる。