WRC2021/04/30

WRCサファリ前哨戦のイクエーター・ラリーが成功

(c)Safari Rally Kenya

 FIAアフリカ・ラリー選手権(ARC)の開幕戦イクエーター・ラリー・ケニアが、4月24日〜25日に無事に開催され、ケニア・モータースポーツ連盟(KMSF)のフィニアス・キマティ会長はCOVID-19の脅威のなかで開催の危機が囁かれているWRCサファリ・ラリー・ケニアについて開催実現に自信を深めることになったとコメントした。

 イクエーター・ラリーは、6月23〜27日に行われるサファリ・ラリーで予定されている多くのスペシャルステージがそのまま使用されており、WRCの実質的なリハーサルイベントとして開催されている。2日間にわたって雨季のケニアを象徴するシャワーに見舞われるなか、フォルクスワーゲン・ポロGTI R5のハンドルを握るケニアのカール・トゥンドがオープニングSSから最終ステージのSS11までリードを譲ることなく優勝を飾ることになった。

 ケニア・メディアは、サファリ・ラリーの今季の開催実現はケニア政府にとっても最重要課題の一つであるだけにイクエーター・ラリーの成功が注目されていたと紹介しており、WRC招致のためにもっとも尽力を注いできたウフル・ケニヤッタ大統領もヘリコプターでソイサンブ・ステージに降り立ち、イクエーター・ラリーを観戦したと報じている。

 KMSF会長であり、サファリ・ラリーのチーフ・エグゼクティブを務めるキマティは次のようにコメントした。

「アフリカン・ラリー・チャンピオンシップ(ARC)のイクエーター・ラリーを成功させたことで、さらに大規模でさらにエキサイティングなイベントをケニアで開催できることを私たちは確信できた」とキマティは語った。

「WRCサファリ・ラリーでは、世界最高峰のWRCドライバーたちがケニアの地に戻ってくる。今年のチャンピオンシップは、ナイロビ、ナイバシャ、キアンブの3県で797kmの距離を走ることになる」

 イクエーター・ラリーではサファリ・ラリーでどのような厳しい戦いが繰り広げられることになるのか、ステージの難しさについても明らかになっている。初日のエレメンテイタ湖の周辺のステージでは、コンディションを熟知した33台のエントラントのち19台がリタイアに追い込まれ、最終的にリスタートを含む18台のみが完走を果たすことになった。とくに初日に行われた30kmを超えるスリーピング・ウォリアー・ステージは困難を極め、大雨でぬかるんだ路面や荒れた路面など、他に類を見ないほどの試練があったという。

 サファリ・ラリーで5度の優勝経験をもち、このイクエーター・ラリーでも優勝を飾ったトゥンドは、サファリ・ラリーがこんなに厳しいコンディションでいいのかと聞かれて次のように答えている。

「これがラリーだ。今回はかなりタフで、かなりウェットだった。ウェットなラリーも楽しいよ。僕は楽しく走ることができたし、新しいマシンも気に入った。うまくいっているし、このような厳しいコンディションでも僕はコツをつかんでいる」