ERC2021/07/09

WRCプロモーターが来季からERCもプロモートへ

(c)ERC

 FIAワールド・モータースポーツ・カウンシル(WMSC)は、WRCプロモーターを2022年からのFIAヨーロッパ・ラリー選手権の新しいプロモーターに指名することを承認した。この決定は、現在、ERCのプロモーターを務めるユーロスポーツ・イベンツが契約期間よりも1年早く活動を終了することに伴って行われたものであり、FIAとWRCプロモーターはWRCを頂点とするFIAラリー・ピラミッドのさらなる強化を目指す。

 WRCプロモーターは、ERCの知名度と商業的価値を高めるために、テレビ番組の制作やメディア権の管理、デジタルメディア戦略やソーシャルメディアに焦点を当てた開発を担当し、ユーロスポーツ・イベンツが約束していたERCジュニア・チャンピオンへの褒賞金についても現行のレベルで保証することを約束している。

 ユーロスポーツ・イベンツは、WTCCのプロモーターであった2006年にインターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ(IRC)をスタートさせ、ユーロスポーツのテレビカバーに支えられて大成功に導き、2013年から10年契約でIRCと統合することになったERCのプロモーターを務めてきた。

 WRCプロモーターのマネージング・ディレクター、ヨナ・シーベルは次のように述べている。

「過去9シーズン、WRCのプロモーションで実績を築いてきた我々にとって、ERCをポートフォリオに加えるのは最適なポジションにある。私たちのチームには、運営、プロモーション、放送の分野で高いレベルの経験があり、自信を持ってFIAと協力し、ERCをラリー・ピラミッドの重要な一部として発展させていきたいと考えている」

「ERCは、ヨーロッパの主要なマーケットを中心に、大きな成長の可能性を秘めている。我々の目標は、ERCの独自性をさらに高めると同時に、WRCの構造にしっかりと適合させることだ」

 ユーロスポーツ・イベンツの責任者であるフランソワ・リベイロは、同グループのERCへのコミットメントは決して弱まることはなく、年末まで維持されると述べている。

「我々の基本的な目的は、常にERCの利益を最優先することだ」とリベイロは語った。

「我々はERCの伝統を維持しつつ、現在のような成功したチャンピオンシップに変えてきたので、9年前に始めた勢いを確実に継続させることが最大の関心事だった。FIAとの10年契約の延長を求めず、FIAによるオールEVとなるGTおよびツーリングカーカテゴリーの推進に優先順位を切り替えることを決定した後、次のプロモーターにできるだけ早くバトンタッチして、シームレスな移行を実現することが正しい行動だと判断した」

「ERCとWRCを2つのプロモーターではなく1つのプロモーターで運営することは、ジャン・トッドFIA会長の意向でもあり、それが実現したことで、ERCにはエキサイティングな未来があり、WRCプロモーターのチームがそれを推進してくれることを信じている」