WRC2019/04/28

WRC2プロはオストベルグが21分差をつけて独走

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 ラリー・アルゼンチン土曜日のWRC2プロ選手権ではマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 R5)が前日からの余裕のリードをさらに広げて、勝利に向けてクルージング状態に入っている。

 オストベルグは7つのステージで5つのステージウィンを奪い、ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタR5)に対して21分7.4秒の大差をつけてこの日のレグを終えることとなった。

 当初5分近くだった後続との差が莫大なマージンとなったのは、2位につけていたマルコ・ブラチア(シュコダ・ファビアR5)がこの日のオープニングステージで激しくタテに回転して離脱したためだ。

 ひどく損傷したブラチアのファビアが道路を塞いだ状態でストップしてしまったため、その後のクルマにはこのステージは中止となっている。ブラチアとコドライバーのファビアン・クレトゥは無事だったが次の日のリスタートは断念することになった。

 最後の2つのステージはグリーンスミスが制しているが、すでに彼は金曜日にサスペンションを壊してリタイアとなっているため、オストベルグは大量リードを築いている。オストベルグはリラックスして走り、最大限のポイント獲得に向けて確実にフィニッシュするためのドライビングに集中している。

「今日の方が天気が良くて、グリップの状態が予想しやすくなった。昨日のマッディな状況ほど難しい状況ではなかったし、リードがあった分同じレベルでプッシュすることはしなかった」とオストベルグは語った。彼の唯一の気がかりとなったのはインターコムの故障だったようだ。

 いっぽう、プライベーターのためのWRC2カテゴリーでは、ペドロ・ヘラー(フォード・フィエスタR5)が10分近い差をつけて日曜日のファイナル・レグにのぞむことになる。

 チリ出身の彼は、パオロ・ノブレ(シュコダ・ファビアR5)を6分近くリードしてこの日をスタートし、プニージャ渓谷のパンパスを走る高速ステージでのトラブルなく走りきり、その差を9分34.4秒にまで広げている。

ノブレはベニート・グエラ(シュコダ・ファビアR5)に一時2位を譲る形となるが、グエラは、ポップオフバルブのトラブルに苦戦していた午後の最初のステージで、パンクによって再び順位を落とすことになる。グエラは再び追い上げを見せると、2台のファビアの差は12.6秒まで縮まっている。

 トヨタGAZOOレーシング・ラリーチャレンジプログラムの勝田貴元(フォード・フィエスタR5)はパワーステアリングの故障により午前中はほとんど満足な走行が出来ない状態で5位となっていたが、午後のループでは2つのベストタイムとセカンドベストを2回叩き出しており、金曜日のホイール破損や朝のトラブルが悔やまれる速さをみせていた。