2020年のダカール・ラリーの最初のステージで、ディフェンディングウィナーのナッサー・アル-アッティーヤ(トヨタ・ハイラックス)が3本のパンクで5分の遅れを喫するなか、MINIオール4レーシングを駆ったリトアニアのヴァイドタス・ザラが、衝撃的な初ステージ勝利を獲得した。一方、2度のF1王者であるフェルナンド・アロンソ(トヨタ・ハイラックス)は初のダカールを初日11位でスタートした。
サウジアラビアを拠点とする初のダカールは、ジェッダからアルワジまでの319 kmの沿岸ステージでスタートし、その競技区間の大半を昨年王者のアル‐アッティーヤがリード、4分もの大差をつけることになった。
しかし、アル‐アッティーヤは後半に3つのパンクを喫し、最終的に5分33秒遅れの4位という不本意な初日となり、Xレイドの旧型の4WDマシンであるオール4レーシングを駆ったザラが初日のトップタイムを奪うことになった。
ザラは、アグロロデオの一員であり、昨年トヨタで総合12位を獲得した後MINI オール4レーシングにスイッチしたため、2016年のミッコ・ヒルボネン以来の4輪駆動MINIでダカールのステージ勝利を獲得したドライバーとなった。
2分14秒差の2位は過去に13回のダカールの優勝経験をもつステファン・ペテランセル、2分50秒差の3位にはカルロス・サインツのXレイド・チームの2台のMINIジョンクーパーワークス・バギーが続き、初日はMINI勢が1-2-3体制を築くことになった。
プライベーターのカリド・アル‐カシミ(プジョー3008DKR)は序盤に2位につけていたが、最終的にタイヤの問題で後退、18分以上を失って13位と出遅れた。
アル‐アッティーヤはなんとか後半の遅れを5分33秒に留めて4位、さらに1分遅れでベルンハルト・テン・ブリンケ(トヨタ・ハイラックス)が5位でフィニッシュした。また南アフリカが開発したセンチュリーCR6バギーでマシュー・セラドーリが6位となり、もうひとつのサプライズとなった。
ヤジード・アル‐ラジは初の母国ダカールをトヨタ・オーバードライブのトヨタ・ハイラックスでスタートし、序盤でタイムを失ったものの、その後はリーダーのペースにほぼ一致し、8位でフィニッシュした。
ダカール初挑戦のアロンソは一時8位を走行していたものの、後半にペースを落として15分27秒遅れで11位となった。
過去のダカール王者であるジニール・ドゥビリエ(トヨタ・ハイラックス)とナニ・ロマ(ボルクヴァルト・バギー)はどちらも厳しい一日となった。ドゥビリエはスローパンクに苦しみ14位、また新しくボルクヴァルトから参戦したロマも、20分以上を失って16位となっている。
ル・マン24時間の2度の王者であるロマン・デュマは、RDリミテッドチームが開発したレベリオンDXXバギーでスタートしたが、マシンが発火したため、イベントの65 kmでリタイアを余儀なくされている。