Raid2024/01/11

アル-アッティーヤ、ステージ勝利で2位に浮上

(c)RedBull Content Pool

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 ダカール2024の第5ステージは、昨年の覇者であるナッサー・アル-アッティーヤ(プロドライブ・ハンターT1+)は、今回のダカールで初のステージ優勝を果たして総合首位のヤジード・アル‐ラジ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブT1+)に次ぐ総合2位に浮上したが、これはまた、彼がさらに厳しくなったマラソンステージとして今季から採用された明日の「48時間クロノ」をコースオープナーでスタートすることを意味する。

 アル‐フフーフからシュバイタ間の118kmを競う第5ステージは、今大会で最も距離が短く、明日から始まる「48時間クロノ」と称されるより過激なマラソンステージを前にした静かな戦いとなったが、同時にそのスタート順をめぐる戦略が渦巻く1日となった。第6ステージは2日間にわたって争われ、木曜日は走行後にマシンを止めて野営し、金曜日朝に走行を再開、アラビア半島南部のルブアルハリ砂漠、エンプティクォーターに設けられた約600kmのステージをクルーのみで走り切らなければならない。

 水曜日に行われた第5ステージはすべて砂丘で、アル‐アッティーヤが終始トップで、最終的にオーバードライブ・レーシングのゲラン・チチェリ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブT1+)に1分51秒の差をつけて自身48回目のダカールステージ勝利を手にした。

 3番手には同じくトヨタのファン・クルス・ヤコピーニ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブT1+)が入り、総合首位のアル‐ラジはアル‐アッティーヤからぴったり2分遅れの4番手タイムだった。また第1ステージの勝者でやはりトヨタのギヨーム・デ・メヴィウス(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブT1+)が5番手につけた。

 カルロス・サインツ(アウディRS Q E-TRON E2 T1U)はステージ勝者のアル‐アッティーヤから9分02秒遅れの16番手タイムに沈み、総合3位に後退した。第3ステージで勝利して4位につけていたトヨタGAZOOレーシングのルーカス・モラエス(トヨタGRダカールハイラックスEVO T1U)はトラブルに見舞われて10位へと後退、マティアス・エクストローム(アウディRS Q E-TRON E2 T1U)が総合4位に浮上、チーム・アウディ・モータースポーツが3位、4位で続いている。

 ダカール・ラリー初優勝を狙うセバスチャン・ローブ(プロドライブ・ハンターT1+)は、ステージ中のウェイポイントをミスしたことで15分のペナルティを科され、水曜日に合計21分13秒のタイムを失い、トップから43分遅れの9位に後退した。それでも彼は、ステージ終了後、この遅れは明日の48時間クロノに向けた意図的な遅れだったと明かし、勝利のチャンスがあるかどうかは明日が勝負だと気を引きしめている。

「このステージでは、良いタイムを出すことも、タイムを稼ぐことも目指していなかったので、気楽に走った。明日は道を開きたくないからね」とローブは語った。

「明日は安全寄りに、かなり後方からスタートして、集団の中で挽回しようと思っていた。そうだね、ウェイポイントをミスしたのは、わざとだ」

「ナッサーと僕は異なる戦略に従っている。彼は早くスタートしたいし、自信を感じている。僕ならそうはしない。砂漠の知識は同じではないし、彼は本領を発揮している。僕は走行のあとを辿ることを選んだ。それが僕の選択だ。明日は大きく勝つことを期待して、今日は大きく負けた」

 センチュリー・レーシングのマシュー・セランドリ(センチュリーCR6-T)が総合5位に浮上した。一方、ステファン・ペテランセル(アウディRS Q E-TRON E2 T1U)はこのステージで5分間ストップしたものの、総合6位まで順位を上げた。

 総合首位のアル-ラジは第5ステージでは4番手タイムにとどまったが、明日からの48時間クロノのためにはできるだけ後方のスタートにしたかったと認めた。

「明日は一番手で道を開けたくなかった。これが僕たちのプランだった。スペシャルの間、ティモと僕はペースをもっと落とすべきかどうか迷っていた。明日は違う。攻めに転じ、その結果を見てみる」とアル-ラジはふりかえっている。

 48時間クロノの砂漠の道なき道をコースオープナーとしてスタートすることは誰にとっても避けたいはずだが、アル-アッティーヤはそれを恐れていない。彼は水曜日はどうしてもステージ勝利がほしかったと語った。

「僕には戦略なんてなかった。明日はどんな展開になろうとも、ステージで勝ちたかった。600kmの長いステージだし、道が開いても気にしない。たとえタイムを失ったとしても、僕にとって重要なのはこの600kmを走りきることなんだ」