ERC2023/10/11

オストベルグ、引退を考えてスタートしたと告白

(c)Citroen

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 先週末にハンガリーで開催されたヨーロッパ・ラリー選手権の今季最終戦で優勝したマッズ・オストベルグは、イベントの前に自身のキャリアに終止符を打つことを考えていたことを明かした。

 ノルウェー出身の35歳のオストベルグは、タイトル候補のひとりとしてシーズンをスタートし、初めてのERCフル参戦において厳しい状況に耐えてきた。

 しかし、このところの不調によるフラストレーションは、2021年のラリー・ハンガリー以来となるERCキャリア2勝目を飾ったことで解消された。オストベルグは日曜日の夕方、ニーレジハーザでゴールを迎えたラリー・ハンガリーのあと、2024年もERCに戻ってくる可能性は大きいと明かした。

「これ以上、こんなことをしなくてもいいのではないかと自問自答するほど、非常に厳しいシーズンだった」とオストベルグは語った。「それと同時に、すべてがうまくいったときは本当に楽しいし、今週末は本当に楽しかったので、ここに来て、このような形でラリーを終えることができて本当に良かった」

「もちろん、木にヒットしてラリーを終えてしまったミクシー(・チョモシュ)のことは残念だ。しかし、僕たちはこの週末の間、いくらかギャップがあったとはいえ、彼にずっとプレッシャーを掛け続けた。このような長くて厳しいラリーでは何が起こるかわからないし、僕たちもSS10でパンクした。残念なことに、彼は最後から2番目のステージでコースアウトしてしまった。だが、それがラリーというものだし、僕たちの今週末の結果には満足できる」

 オストベルグはシトロエンC3Rally2を駆り、ファフェで2位、リエパーヤで3位を獲得していたが、勝利がなかったため、最終ラウンドのラリー・ハンガリーでは選手権のトップ2から外れており、追い上げが必要な状況だった。

「自分としては勝たなければならないと感じていた」と彼は語った。「ここから何をしたいのか真剣に考えていた。このようなシーズンが続くと、自分はもうこれを長くやり過ぎたから、これ以上このことで悩みたくないと考えてしまう。自分のキャリアにおいて多くのことを成し遂げてきたし、もう同じことをする必要はない。でも、ラリーはとても楽しいし、ラリーが大好きだし、サービスパークの人たちも大好きだ。だから、自分自身として、ラリーを続けていくためには、(この勝利が)必要だったと思う」

 オストベルグは今季2度目のパワーステージ勝利でラリー・ハンガリーの優勝を締めくくり、シーズンを選手権3位で終えることになった。彼は最後の12.63kmでプッシュした理由をこう語った。

「週末を通して楽しめたし、いいスピードが出せたけど、大きなリスクやドラマはなかった。イベント全体を通じてスピードは非常に安定していたので、最後のステージでリズムを崩す意味はないと感じた。今年は最後の1kmまで楽しみたかったし、それが僕たちの楽しみ方だ」

 2024年の計画について、オストベルグは次のように付け加えた。「来年戻って来る可能性は非常に高いと思う」