WRC2024/01/21

ジュニアWRC王者クレイトン、WRC2にフル参戦へ

(c)M-Sport

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 ジュニアWRCチャンピオンに輝いたウィリアム・クレイトンは、次戦のラリー・スウェーデンからMスポーツのフォード・フィエスタRally2を駆ってWRC2参戦を開始、モータースポーツ・キャリアにおける重要な一歩を踏み出すと発表した。

 北アイルランドのモイラ出身のクレイトンは、ジュニアWRC王者にはフィエスタRally2でヨーロッパの代表的なWRCイベント4戦に出場する権利のほか各ラウンドの事前テスト、ピレリの提供による200本のタイヤを含むキャリアアップのため賞品パッケージが贈られるが、その褒賞に加えて彼はモータースポーツ・アイルランド・ラリー・アカデミーのサポートによってイベントを追加して全7戦のWRC2およびWRCチャレンジャー・カテゴリーへの参戦プログラムをスウェーデンから開始する。

「昨年ジュニアWRCのタイトルを獲得したことで、Mスポーツ・ポーランドとピレリが用意してくれた素晴らしい賞品のおかげで、WRC2のプログラムがとても楽しみになった」とクレイトンは語っている。

「もちろん、モータースポーツ・アイルランド・ラリー・アカデミーのサポートのおかげで、2024年のプログラムを7戦に増やすことができた」

 クレイトンは、サーキットのレースからキャリアをスタート、2012年にアルスター・カート・チャンピオンとなり、その後ラリーとジュニア1000シリーズに参戦して多くの経験を積んできた。

 その後、2021年に英国選手権のジュニア・チャンピオンに輝いた彼は、世界の舞台へと飛び出し、熱戦が繰り広げられるジュニアWRCに2シーズン参戦、昨年の最終戦のアクロポリス・ラリーでスリリングなバトルを制して栄えあるタイトルを獲得した。

 クレイトンは、世界で最も競争の激しいシリーズであるWRC2に挑むための適切な下地ができたと考えている。

「キャリアのすべての段階を通してハードワークをし、国内レベルからジュニアWRCへとランクアップしてきた。どのシーズンも貴重なものだったし、ジュニアWRCで過ごした時間は本当に素晴らしかった。このスポーツ、自分のドライビング、逆境からの立ち直り方、戦う姿勢について多くを学んだ。Rally2のフィエスタにフルタイムで移行するのは、僕のキャリアの中でいいタイミングだと感じている」

 クレイトンは2022年のラリー・デ・エスパーニャと2023年のラリー・モンテカルロの2戦にヒョンデのRally2カーで出場し、その将来のビジョンを垣間見ることができた。ライバルたちは強力であり、熾烈な戦いが待っていることを彼は理解しており、これからのシーズンを現実的に考えている。

「これまでで最もチャレンジングなシーズンになる。WRCスウェーデンの高速ステージに備えるため、その前の週にスウェーデンで行われるLBCルッシャン・ラリーに行き、マシンの経験と走行距離を稼ぐ予定だ」

「WRC2の最前線での競争レベルは非常に高いので、僕たちの前に待ち受けている挑戦に幻想を抱いてはいない。フィエスタRally2に慣れてきたら、経験のあるイベントをターゲットにするつもりだ。モータースポーツ・アイルランド・ラリー・アカデミーとともにこの冒険を続け、アイルランド代表として世界の舞台に立てることを大変光栄に思う。彼らやパートナーのサポートには感謝してもしきれない。また、リアム(・リーガン、コドライバー)との長期的なパートナーシップを継続できることもうれしく思っている。2023年を通じてともに大きな成功を収め、2024年シーズンの開幕に向け、2人とも非常に興奮している。信じられないほど特別なシーズンになるだろうし、スタートを切るのが待ちきれないよ」