ERC2023/07/13

ソルベルグー家が初開催ERCを大いに盛り上げる

(c)Petter Solberg

(c)Petter Solberg

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 ロイヤル・ラリー・オブ・スカンジナビアという名の新しいラリーが誕生、ラリー界のロイヤル・ファミリーともいえるソルベルグ一家とマクレー一家がデモンストレーションで総登場、レジェンドたちの走りを見守ったファンにとって忘れられない思い出となっただろう。

 ロイヤル・ラリー・オブ・スカンジナビアは、スウェーデン国境近くに住むソルベルグにとって本当の意味でホームとなった。ヨーロッパ選手権として初開催されたこのイベントを祝うためにスカンジナビアに縁をもつ多くのレジェンドたちがヒストリックマシンでいくつかのコースを二日間にわたって走っている。

 2003年にワールドチャンピオンに輝いているペター・ソルベルグはシトロエンC4 WRCのステアリングを握り、母親のトーベがコドライバーを務めた。ソルベルグの妻のパニラ・ソルベルグは2000年にノルウェー・グループNカップ王者を獲得したときのコドライバーであるウルリカ・マットソンとのコンビを復活させて三菱ランサーエボリューションをドライブし、ヘニング・ソルベルグはコドライバーに妻モードを迎えてトヨタ・セリカGT-FOURで参戦した。

 さらに大きなジャンプで世界的に有名なコリンズ・クレストが復活、誰よりもこのクレストがスウェーデンのラリーに帰ってくることを望んでいたであろうその名前の由来となったコリン・マクレーの弟のアリスターが、コリンの娘のホリーとともにフォード・エスコートRS1800をドライブしている。

 これらのマシンはすべてペターが所有するもので、彼は生まれたばかりの新しいロイヤル・ラリー・オブ・スカンジナビアを盛り上げるためにすべての努力を惜しまなかった。

「ソルベルグとマクレーの家族にとってとても大事な出来事だった!こんなことができたのは、ただただ情熱だけだよ」とペターは語った。

「家族としてこれを特別なものにするお手伝いをしたかったし、5台のマシンを準備をするという大きな努力だったが、素晴らしい週末だった」

「アリスターとホリーがエスコートに乗って、僕らの家族と一緒に走ってくれたことは本当に素晴らしい出来事だ。僕、僕の母、ヘニング、モード、パニラ、ウルリカも一緒にいてくれた!  たくさんの素晴らしい思い出を語り合い、新しい思い出ができたよ」

 メインイベントのERCでは、ソルベルグ一族の現役最年少メンバーのオリヴァー・ソルベルグが優勝している。

「そしてイベントではオリヴァーが総合優勝し、見ていてくれたみなさんも、きっと楽しんでくれたんじゃないかな? 僕たちファミリーのラリーとモータースポーツへの情熱は、みんなのためにベストを尽くしたいだけなんだ」とペターは笑みをみせている。

 ペターは最終日、コリンズ・クレストを飛んだ時、この日いちばんの歓声を浴び、彼が知りたかったことへの完璧な答えを知っただろう。

 もちろん、これはファンのためだけではなかった。家族みんなで参戦することは、息子ぺターのC4 WRCに同乗した母のトーベにとって大きな意味があった。

「いつも嫌だって言ってきたのよ、おかしなラリーカーには乗りたくないってね」とトーベは語っている。

「でも私も70を超えて、乗ってみるのも悪くないかなって思って。彼はすごい集中していて、本当にすごかったのよ」

 以前ジュニアWRCとWRC2チャンピオンとなっているポントゥス・ティデマンドの母でもある、オスカー・ソルベルグの母、マウド・ソルベルグも、ペターが所有しているトヨタ・セリカST185を駆った夫のヘニングとともにドライブ、同じような感覚を味わっていたという。

「これはバケツリスト(死ぬまでにやっておきたいこと)の1つだった」と彼女は語っている。

「コリンズ・クレスト、ここに行くことがリストの次にあった。そして、叶えることができたのよ!」