Raid2023/12/14

トヨタGRダカールハイラックスEVO T1Uが公開

(c)Toyota

 TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、2024年1月に開催されるダカール・ラリーと2024年シーズンのFIA世界ラリーレイド選手権(W2RC)に、昨年のマシンを改良・強化したGRダカールハイラックスEVO T1Uの5台体制で参戦することを発表した。この改良された2024年仕様は、W2RCのカテゴリー名称がこれまでのT1+クラスから2024年シーズンよりT1 Ultimateクラスに変更されたことを受けて、GRダカールハイラックスEVO T1Uとなっている。

 2024年シーズン向けた新しいGRダカールハイラックスEVO T1Uは、これまでのモデルに対し100mmワイドになり、サスペンションなど各所に改良が施されている。エアコンユニットも更なる効率を求め、搭載位置が変更されました。加えて、新たな冷却パッケージを採用し、更なる信頼性と安全性を確保した。

 この新車開発にあたって、品質、耐久性と信頼性へのこだわりは重要な要素となっていた。そのため、クルマの開発はシーズンを通してコンスタントに続けてきており、TGRのクルーは2023年シーズンのW2RC及びSARRCレース参戦やテストで、総計で3万キロに及ぶ走行をこなしてきた。

 さらに、アフリカ南部のカラハリ砂漠での追加テストや、ナビブ砂漠での最終テストも行われ、来季のW2RCと、その開幕戦となるダカールへの最終準備が整えられている。

 TGRダカールチームはレプソル社と提携し、新開発のバイオ燃料をダカールで投入する。

 レプソル社は、再生可能原料を70%含み、一般的なガソリン燃料に比べ、酸化炭素排出量を少なくとも70%削減できる革新的なバイオ燃料をTGRに供給する。この再生可能燃料は、スペイン・マドリードのレプソル技術研究所で、使用済みの食用油など、廃棄物から設計・製造されている。この新開発燃料はISCC(国際持続可能カーボン認証) EU持続可能スキームの下に認証された設備で製造され、原料および製造工程は再生可能エネルギー指令(RED: Renewable Energy Directive)の持続可能性要件に適合したものだ。

 TGRはパートナーであるレプソル社と共に、レプソル再生可能燃料70R+を最初のベンチテストから、その後の広範囲にわたるフィールドテスト、ダカール前最後のテストとなったナミビア砂漠まで、様々な環境で18か月以上にわたって、幅広く研究開発に取り組んできた。チームが使用する燃料は、FIAのレギュレーションに従いTGR専用に調合されている。

■GRダカールハイラックスEVO T1U(2024年 車両仕様)

エンジン:V35A 市販仕様(ランドクルーザー300に搭載)
エンジンタイプ:ツインターボガソリン
コントロール規則:FIA規定パワーカーブによるブースト制限
最大出力:264 kW @ 5,300 rpm
最大トルク:620 Nm
エンジンマネージメント:モーテック
トランスミッション:Sadev製6速シーケンシャル
ディファレンシャル:前後及びセンター全てLSD
クラッチ:セラミックツインプレート 直径215mm
フレーム構造:チューブラーフレーム
ホイールベース:3,140mm
トレッド幅:2,025mm
全長:4,810mm
全幅:2,300mm
全高:1,890mm
車重:2,010kg,FIA規定最低重量(ドライウェイト)
ボディ形状:トヨタ ハイラックスダブルキャブピックアップ 複合素材ボディ
フロントサスペンション:ダブルウィッシュボーン、ストローク350mm
リアサスペンション:ダブルウィッシュボーン、ストローク350mm
ホイール:Evo Course 17インチ
タイヤ:BFグッドリッチ 37インチ
燃料タンク:FT3安全セル 540リッター