WRC2024/02/20

ヒョンデ、カスタマー・レーシング部門を再編

(c)Hyundai

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 ヒョンデ・モータースポーツは、カスタマー・レーシング部門のマネジメントを再編、Rally2とサーキット・レーシングのぞれぞれのプロジェクト・マネージャーを新設した。

 ブノワ・ノジエ(写真)がヒョンデ・モータースポーツに加わり、カスタマー・レーシング部門を統轄するカスタマー・レーシング・マネージャーに就任し、アンドレア・チソッティがRally2プロジェクト・マネジャーに、ジュリアン・モンセがサーキット・レーシング・プロジェクト・マネジャーに就任することになった。3人ともドイツのアルツェナウに位置するチーム本部を拠点とする。

 ヒョンデ・モータースポーツによれば、この体制の再編成により、それぞれの部門が新しい役割で特定の分野に集中できるようになるとしており、ヒョンデ・モータースポーツは、カスタマー・レーシング部門の成長をサポートしながら各カスタマーへのサービス・レベルを向上させることができる。また同時に、カスタマー・レーシング・プロジェクトの成功に不可欠な技術開発とエンジニアリング・サポートにより重点を置く。

 ヒョンデ・モータースポーツ社長兼チーム代表のシリル・アビテブールは、次のようにコメントした。「カスタマー・レーシング部門は、ヒョンデのモータースポーツ戦略において重要な要素であり、そのレースは常に自動車界に感動をもたらす。非常に競争が激しく、変化の速い環境の中で将来を見据えるにあたり、我々は過去8年間に築き上げた基盤の上に、ブノワ、アンドレア、ジュリアンの豊富な経験を活用して品質と性能面をさらに上のレベルへと引き上げ、最終的には我々のラリーカーやサーキットカーでレースをする世界中のお客様の満足につなげたいと考えている」

 ブノワ・ノジエは、これまでシトロエン・レーシングとプジョー・スポールのカスタマー・レーシング部門のコマーシャル・マネージャーと、ルノー・スポールのカスタマー・レーシング・マネージャーを務め、サーキット・レース(シングルシーターやカップカー・レース)やラリーなど、複数の分野をカバーする複数のプロジェクトを担当してきた。彼は、カスタマー・レーシング部門内の既存の企画、販売、アフターセールス・チームを統括し、Rally2とTCRのカスタマーに最高レベルのサポートを提供する。

 ノジエは、次のように語った。「ヒョンデ・モータースポーツは、カスタマー・レーシング部門を創設し、ラリーとサーキット・レースで高い評価を得ている。カスタマー・レーシング・マネージャーとしての私の最初の仕事は、これを維持し、この部門で働く人々や顧客との関係など、すでに存在するものを基盤に発展させていくことだ。また、ヒョンデ・モータースポーツ・カスタマー・レーシングの未来に向けた戦略を定め、モータースポーツにおけるヒョンデの地位を確固たるものにし、チームとドライバーにヒョンデ・モータースポーツのカスタマーとなる、あるいはカスタマーであり続けるために必要な自信を与えることだ」

 Rally2プロジェクト・マネジャーに就任したシソッティ(写真)はサーキットレースとラリーの両方で経験豊富なエンジニアであり、カスタマーレーシングマネージャーとしてすでに i20 N Rally2 の技術開発に重要な役割を果たしてきた。 新しい役職では、ラリーカーの開発と公認に重点を置き、すでにi20 N Rally2のいくつかの大きなアップグレードが予定されている。

 サーキット・レーシング・プロジェクトマネージャーに就任したモンセは、2021年に前チームディレクターのアンドレア・アダモが辞任したことにともない副チーム・ディレクターとして実質的にチームの指揮をとってきた。しかし、2023年に新しいチームディレクターとしてシリル・アビテブールが就任したこともともない、以前にパワートレイン部門のリーダーに戻っていた。彼はi30 N TCR のエンジン開発の初期段階を率いていたことがある。

 3 人は互いに緊密に連携し、シソッティとモンセはテクニカルディレクターのフランソワ-クサヴィエ・ドゥメゾンに直属の部下となる。