JAPAN2024/03/04

勝田範彦、GRヤリスRally2で全日本初優勝

(c)Takeshi Sakuma

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 2024年全日本ラリー選手権開幕戦ラリー三河湾が3月2日から3日にかけて14SS/80.32kmで行われ、LUCK with ROOKIEレーシング・ラリーチームから出場した勝田範彦/木村裕介がトヨタGRヤリスRally2で全日本トップカテゴリーのJN-1で初優勝を飾り、新井大輝/金岡基成が旧スペックのシュコダ・ファビアR5ながら21.2秒差の2位でフィニッシュしている。

 伝統の一戦だった新城ラリーに変わって、新たに三河湾に面した愛知県蒲郡市を舞台にしたラリー三河湾とともに新シーズンがスタート、新しいトヨタGRヤリスRally2が3台も登場したほか、若手ドライバーの育成を目指して誕生した新シリーズのMORIZO Challenge Cupも注目のなかで開幕を迎えた。

 オープニングステージのSS1ヒメハル(6.51km)は勝田範彦の鮮やかなトップタイムで始まることになった。勝田は、わずか6.51km のこのステージで2番手の新井敏弘/井上草汰(スバルWRX S4)に10.8秒差をつけてラリーをリードすることになった。

 勝田は、朝のループで3つのベストタイムを奪って17.7秒へとリードを拡大、2位には新井大輝が浮上してきた。昨年までヘイッキ・コヴァライネンが使用していたファビアR5で今季の全日本参戦を決めた彼は、トランスミッションのリビルト作業などに時間を要したため、シェイクダウンをしないままぶっつけ本番でラリーをスタート、SS1で16秒もの遅れを喫したが、それ以降はトップの勝田とほぼ互角のタイムで続いている。

 勝田は午後のループもベストタイムで発進、初日をトップで折り返したものの、新井大輝はSS6からSS8まで3連続ベストタイムを叩きだし、勝田の12.8秒後方へと近づいてきた。

 新井大輝の34秒後方の3位には福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビアRally2エボ)、4位には奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリスRally2)が続いている。Rally2カーでの初参戦を迎えた奴田原は慣れない左ハンドルのニューマシンに戸惑いながらのスタートとなったが、SS5では今季初のベストタイムを奪うなど少しずつペースを掴みつつある。一方、新井敏弘は朝のループを3番手で終えたが、午後のループで奴田原に抜かれたあとSS6でサスペンションを壊してリタイアとなってしまった。

 岡崎桑谷山と豊川宮路山という10kmオーバーのスペシャルステージの2回のループを含む6SS/43.98kmで争われるタフな最終日は、勝田がSS9、SS10で連続ベストタイムを奪って始まることになり、新井大輝との差を26.8秒へと拡大して勝負をほぼ決めることになった。

 新井大輝は前日の勢いのまま首位に迫ることが期待されたが、デファレンシャルがコースに合わなかったためペースは上がらない。SS11のキャンセルのあと始まった午後のループでも新井大輝は2つのベストタイムを奪ってみせたが、ミスのない堅実な走りで終始トップを守った勝田が21.2秒差をつけて今季初優勝を飾ることになった。

 福永は、3.8秒後方に付けていた奴田原との差を18.4秒へと広げて3位表彰台を守り抜いた。健康上の問題のため開幕戦を欠場したヘイッキ・コヴァライネンに代わってトヨタGRヤリスRally2のステアリングを委ねられた田口勝彦は5位でフィニッシュすることになった。

 また、鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI)は初日5位につけていたが、トランスミッションの問題でリタイアとなっている。

 トヨタGRヤリスGR4 Rally のワンメイクで争われるMORIZO Challenge Cupは、初日の最終ステージでそれまでトップだったヨーロッパ帰りの大竹直生/藤田めぐみがコースオフ、代わってトップに立った貝原聖也/西崎佳代子は最終日にタイヤトラブルのためペースダウン、山田啓介/藤井俊樹が逆転勝利を飾っている。