WRC2024/03/18

藤本吉郎、貴元の初勝利を見守るためにケニアへ

(c)WRC Promoter

 日本人でただ一人、サファリ・ラリーで優勝経験をもつ藤本吉郎は、勝田貴元が今年のサファリ・ラリーで優勝するチャンスがあると予想しており、WRC初勝利を見届けるために29年ぶりにケニアを訪ねる。

 藤本はかつてのトヨタのファクトリーチームだったトヨタ・チーム・ヨーロッパ(TTE)のドライバーとして1995年のサファリ・ラリーでトヨタ・セリカGT-FOURを駆って総合優勝を飾っている。

 藤本は1998年にアジア-パシフィック・ラリー選手権のチャンピオンに輝いたあとはドライバーからは引退、サスペンションメーカーTEINの役員として現在は中国に長期赴任しており、江蘇省宿遷市の新工場をゼロから立ち上げ、社員400名、売上高52億円までに成長させている。

「今回、ケニアに行くことになったのは、ジョージ(・ドナルドソン、元TTEマネージャー)に誘われ、多くのチームOBがナイバシャに集まるとのことでラリーの現場が懐かしくなったからです」と藤本は語っている。

「サファリはしばらくWRCから外れていましたし、もうケニアに行くこともないと思っていましたが、やはりアフリカの水を飲んだ者はふたたびアフリカに帰るという言い伝えは、ホントだったんですね。私もケニアを訪れるのは29年ぶりのことです!」

 藤本は今回、木曜日のオープニングステージ、カサラニ・スタジアム・スーパーSSではゼロカーを走らせることになったという。最後にサファリ・ラリーを走った1995年には幼稚園児だった娘もすでに嫁ぎ、あまりにも長い時間が過ぎてしまったと藤本は驚きつつも、今回、すっかり遠のいてしまったサファリを訪れることを決めたのは、勝田貴元の勝利を見届けるためでもあると語っている。

「プライベートでサファリに行くはずが、なぜかトヨタ・ケニアに情報が漏れてしまい、古くからの友人たちの頼みもあって、今回、木曜日のオープニングステージではゼロカーを走らせることになりました。最後にケニアを走ってから本当は長い時間が過ぎました。そしてケニアでは貴元がWRCに初優勝するシーンも見られるかもしれません。そんな予感もあったので今回はケニアにどうしても行きたくなったのです」

「貴元はこれまで世界での戦いでじっくりと時間をかけてドライバーとして成長してきました。ワールドチャンピオンという大きな夢に向けた第一歩を今年のケニアで標してほしいというのが私の夢です」