ERC2019/03/21

2019年ERC、今週末のアソーレスで開幕

(c)ERC

 2019年FIAヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)は、今週末の3月21日から23日まで大西洋の真ん中のラリー・アソーレスで幕を開ける。ステージ上の栄光を巡って再びアクション満載のチェイスが繰り広げられる予定だ。

 ERCレギュラーメンバー、ナショナルチャンピオン、カテゴリーの精鋭たち、さらに、ERCジュニアで才能を証明したいと願う多数の若い選手たちが、11月まで8ラウンドにわたって開催されるターマックとグラベルが混在するイベントを、刺激的なマシンで競い合う。

 大西洋の真ん中に浮かぶ群島の中で最大の島サン・ミゲルをベースとしたラリー・アソーレスは、2015年に50周年を迎え、国際ラリーの中で最も壮観なイベントの1つとなっている。

 息をのむような風景と緑豊かな田園地帯を交差するグラベルステージは、サンディな路面とナローで起伏の激しい性質が特徴だ。ステージは車幅ギリギリのことが多く、ミスは許されない。特に火山口の湖の縁に沿って走る象徴的なセテ・シダデスのステージは、天気が瞬く間に晴天から雨に変わりやすく、厳しいステージだ。

 ルートにはいくつか変更が加えられており、レグ1には新しくメディアナ・レメディオスのステージが設置されたが、多くはよく知られたステージで構成され、最終日のフィナーレはおなじみのトロンケイラのステージとなり、美しい花が咲き乱れ、多くの観客が待ち受けるゴール地点が設定されている。

 シトロエン、フォード、ヒュンダイ、シュコダ、そしてフォルクスワーゲンなどから21台のR5カーがエントリーしており、シトロエンC3 R5とフォルクスワーゲン・ポロGTI R5は初めてERCに登場する。

 アレクセイ・ルクヤヌクはサンテロック・ジュニアチームのC3 R5でタイトル防衛を目指す。ERCの歴史上、3人のドライバーしか防衛に成功していない。

 しかし、2度のERCジュニア王者のマリヤン・グリーベルは昨年、ドイツ・チャンピオンを獲得したあと、BRRがプリペアするポロGTI R5で総合王者を狙う。

 昨年のERCジュニアU28でシリーズ2位となったクリス・イングラムはふたたびトークスポーツのシュコダ・ファビアR5でシリーズ参戦して総合王者を狙うほか、昨シーズン6位となったハンガリーのノルベルト・ヘルツィグもポロGTI R5にスイッチして開幕戦から出場する。

 ポルトガル選手権のドライバーもERCポイントの対象となる。ブルーノ・マガラエス、リカルド・モウラ、およびベルナルド・ソウサの3人のアソーレスでの優勝経験者も含まれる。過去3度の優勝経験をもつマガラエスは今季はERCではなく、10年ぶりのポルトガル選手権王座に集中すると見られている。

 また、今季のERCでは、これまでのジュニア・カテゴリーの名称が変更となり、R5マシンによる若手のためのFIA ERCジュニアU28選手権は新たにFIA ERC1ジュニア選手権に、R2マシンによるFIA ERCジュニアU27選手権は新たにFIA ERC3ジュニア選手権に生まれ変わる。ERC1ジュニアには、ピエール-ルイ・ルベー(シュコダ・ファビアR5)ほか3台がエントリー、ERC3ジュニアにはADACオペル・ラリー・ジュニア・チームがエリアス・ルンドベリとグレゴワール・ムンスターの若手二人を投入して5年連続のジュニア王者のタイトル獲得を狙う。

 また、FIA ERC2選手権は、新しいテクニカル・レギュレーションに沿って製作されたR4キットカーやRGTマシンの参戦が認められたが、開幕戦にはこれまでこのカテゴリーの主軸となってきたN4マシンのみのエントリーとなっている。