ERC2023/08/23

ERC王者パッドンとケナード、お互いを讃え合う

(c)RedBull Content Pool

 FIAヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)70周年記念シーズンでヘイデン・パッドンとジョン・ケナードは、見事に新チャンピオンに輝くことになった。二人は先週末のバルム・チェコ・ラリー・ズリーンではアクシデントでリタイアとなったものの、最終戦のラリー・ハンガリーで逆転できるライバルはいないため、二人にとって最大の栄誉が確定したのだ。

 パッドンは2006年、18歳のときから、28歳年上のジョン・ケナードとコンビを組んできた。2008、2009年にニュージーランド選手権のタイトルを連覇、2011年にプロダクションカー世界ラリー選手権(PWRC)のタイトルを獲得、2016年のアルゼンチンで初のWRC優勝を達成、ケナードは、57歳と73日という史上最年長WRCウィナーとなった。

 ケナードは58歳の誕生日を迎えた2017年に年齢を考慮して一時、ラリーからの引退を表明したが、2021年からコンビとしての本格的な活動を再開、二人は2021年には3度目のニュージーランド選手権タイトル、2022年には同選手権の連覇をするとともにFIAアジア-パシフィック・チャンピオンに輝いている。

 そして2023年、ERCの栄冠は二人にとっての2つ目のFIAチャンピオンとなった。パッドンは36歳、ケナードは64歳だ。

 パッドンはケナードを讃えるとともに、素晴らしいシーズンを誇りに思うと語った。

「なんという1年、なんというチーム、そしてなんというチャンピオンシップだろう。素晴らしい仕事をしてくれたジョン(・ケナード)とBRCチーム全員とともにこの1戦を締めくくることができて、信じられないほど誇りに思う」とパッドンは語った。

「この週末は確かにトリッキーなラリーで、今日のような終わり方は望んでいなかったが、シーズンを通してのハードワークのおかげで、ここでは悪いラウンドをすることが許された。人生は時には物事が計画通りに進まないこともある。しかし、このスポーツが僕に教えてくれたことは、たとえ背中が壁に突き当たっていても、決してあきらめないということだ。絶頂期を乗り越え、どん底から学んで強くなる。でも、周りの人たちや支えてくれる人たちなしではできないことなんだ。ありがとう」

 ケナードは、18回目のシーズンを戦ったにもかかわらず、パッドンがいまも驚くべき感銘を与え続けていると称賛した。

「開幕戦のときから、僕たちはチャンピオンシップを管理し、自分たちのラリーをやろうとし、競争する必要がないときはライバルと競争しないようにしてきた」とケナードは語った。

「でも、時々彼を引き止めるのは難しいこともあった、私たち2人とも負けず嫌いだからね。彼のやり方や記憶力にはいつも驚かされるよ。彼にしていることは、彼の頭の中でいつも起こっているビデオへのリマインダーなんだ。私がしていることは、彼の頭の中で常に流れているビデオを思い出させることなんだ」