WRC2024/01/25

GRヤリスに2人の王者の特別仕様車誕生

(c)Toyota

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 TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)は、ラリー・モンテカルロにおいて、進化型GRヤリスをべースとした特別仕様車、GRヤリス RZ High performance・Sebastien Ogier Edition(以下、オジエEdition)およびGRヤリス RZ High performance・Kalle Rovanpera Edition(以下、ロヴァンペラEdition)を披露した。

 これら2台の特別仕様車は、これまで計8回ドライバーズタイトルを獲得したオジエ、そして2022〜2023年に2年連続でドライバーズタイトルを獲得したロヴァンペラが監修した特別なGRヤリスとなり、「ラリーの現場でクルマを鍛え、成長させてくれるドライバー、その機会を与えてくださるすべてのチーム、主催者を含む関係者の皆様、そして、ファンの皆様へ敬意と感謝を伝えたい」というモリゾウこと豊田会長の想いの下で開発されているという。

「マットステルスグレー」のカラーリングが特徴的なオジエEdition、そしてアグレッシブな印象の「三色塗装」をもつロヴァンペラEditionは、全国のGR Garageを通じ、2024年春頃に抽選申込を開始し、それぞれ日本およびヨーロッパともに100台ずつの台数限定で発売が予定される。

 成約者には、2024年WRCラリー・ジャパン会場における ドライバー 及び チームとのコミュニケーション、WRCマシン 及び サービス見学、スペシャルステージでの観戦、2024年シーズン WRC参戦マシンに成約者の名前を掲示(一部のラウンドにて実施)するという豪華な特典が与えられることになっており、TGRでは、「成約者様にはWRCを共に盛り上げる仲間となっていただきたいと考えています」と説明している。

 また抽選開始に先駆け、2月15日〜18日に、名古屋駅JRゲートタワー前広場で両モデルの展示が予定されている。

 この2台の特別仕様車には、2人のワールドチャンピオンからのフィードバックが四駆制御モードや内外装に反映されている。

 オジエEditionとロヴァンペラEditionは、それぞれ専用の新たな四駆制御モードを開発。標準車両の「NORMAL」モードはそのままに、「GRAVEL」「TRACK」と置き換える形で以下のように新たなモードが2台には設定されている。

・オジエEdition
MORIZOモード: トラクション性能と旋回性能を高い次元で両立させるため、加速時は前後輪の拘束力を最大(直結)とし、制動時は必要分だけ拘束を緩める仕様。モリゾウこと豊田会長が走り込んで導き出した駆動力配分をオジエが気に入り採用に至った。
SEB.モード: 前輪の旋回性を確保しながら、後輪の駆動力による車両コントロールを可能にするため、後輪よりの前後駆動力配分とした仕様。車両との一体感を味わえるほか、高速で車体をコントロールすることにより、タイム短縮に寄与する。

・ロヴァンペラEdition
DONUTモード: ドリフト走行やドーナツターンが得意なロヴァンペラのため、前後輪の拘束力を最大(直結)とし、ドリフト走行時のスライドコントロール性を確保した仕様。
KALLEモード: 追加装着した等速リヤディファレンシャルを最大限活かす制御により、リニアな挙動特性を実現。 コーナー進入でリヤを積極的に振り出し、脱出時にはアクセルでフロントを引っ張るような運転が可能となり、タイム短縮に寄与する。

 また、オジエEditionに新開発の軽量ラリースポイラー(CFRP製)を、ロヴァンペラEditionにGRMNヤリスと同じリヤスポイラー(可変ウイング/CFRP製)をそれぞれ採用し、空力特性を改善している。

 オジエEditionに新たなマットカラー「マットステルスグレー」を、ロヴァンペラEditionに「三色塗装」をそれぞれ採用。「三色塗装」は、ロヴァンペラが競技参戦時に使用するヘルメットのデザイナーによるデザインを採用したもので、カッティングシートなどは使用せず、塗装のみで三色の塗り分けを実現している。

 また、WRCチャンピオン獲得を記念した「WRC優勝記念デカール」をフロントフェンダー左右に装着。 各選手の出身国の国旗の色に合わせ(オジエ:フランス、ロバンペラ:フィンランド)、ステアリングホイールのステッチ色をそれぞれ変更。さらに、WRCチャンピオン獲得を記念した専用プレートを助手席前のインストルメントパネル部分に装着している。