WRC2021/04/26

オジエ、クロアチアの交通事故で7000ユーロの罰金

(c)Toyota

 セバスチャン・オジエは、クロアチア・ラリーの最終日の朝に発生した一般道での交通事故の責任を問われ、7000ユーロ(およそ92万円)の罰金とともに、6カ月の猶予付きの出場停止処分が科せられることになったが、心配されていたクロアチアでの優勝と選手権ポイントの剥奪は免れている。

 オジエは最終日の朝に発生した一般車との接触事故でマシンの右側のドアとフロントエアロにダメージを負って一時首位を失うことになったが、最終ステージでエルフィン・エヴァンスを逆転、わずか0.6秒差で劇的な勝利を飾ることになった。

 オープニングステージをゴールしたときにオジエのドアが破損していることが初めて明らかとなったため、アクシデントがどこで発生したものなのか、憶測を呼ぶことになったが、ファンによって撮影された動画がSNSに公開されたことで、この日の朝のロードセクションで発生した接触事故についての詳細がより広く知られることになった。事故の状況次第ではこの劇的な勝利と選手権のリードが剥奪される可能性があるとも噂され、オジエ、コドライバーのジュリアン・イングラシア、トヨタのスポーツ・ディレクターであるカイ・リンドストロームら関係者などを召喚して夜まで行われたスチュワード・ミーティングの結果に注目が集まっていた。

 スチュワードは決定事項No.4において、オジエが警察官の制止があったにもかかわらず、事故現場を離れたとして6カ月間の猶予付き出場停止処分と5000ユーロの罰金を科したと説明している。

 オジエがスチュワードに対して説明した事故当時の状況について、スチュワード・コミュニケーションには次のように記されている。

「(オジエが運転する)1号車がサービスパークを出発した後、車に何かを確認するために停車する必要があることに気付き、信号機から出発した後、右手に適当なバス停が見えたので、車線を変更して停止しようとしたところ同じ車線を後ろから急接近してきた別の車が、1号車の右側面に衝突した。事故直後、オジエは道路脇に停車してけが人がいないことを確認し、相手の運転手に連絡先を教えた」

「現場に到着した警察官は英語を話せなかったので、(オジエは)事務処理を行うためにチームメンバーを現場に来るよう要請した。(トヨタのイベントディレクターであるヤルモ・)レウティネンが現場に到着し、ラリーコントロールと事故現場の警察官との間で電話での話し合いがあった。しかし、オジエによれば、現場の警官にすべての情報を伝え、チーム関係者が現場にいたことから、オジエはその場を離れることが許されたが、車の前に立っていた警察官にはその情報が伝わっていなかった」

 スチュワード・コミュニケーションによれば、オジエはスチュワード・ミーティングにおいて事故については自身にも反省すべきところがあったことを認めて接触したドライバーへの謝罪をするとともに、結果的には制止を振り切ることになった警察官にも謝罪をすることをスチュワードに対して約束したとしている。

 スチュワードは、この交通事故は必ずしも規則違反ではないと判断したが、オジエがクルマを運転して警察官を押しのけたことで危険な状況を引き起こしたと説明、「本件はモータースポーツの利益を損なうものである」として、6カ月間の猶予付き出場停止処分と5000ユーロの罰金を科している。

 また、スチュワードは決定事項No.5において、オジエがこの事故の後、赤信号を無視したとして、さらに2000ユーロの追加の罰金を科すことを発表している。

 スチュワードはコミュニケのなかで、「オジエは事故の後、まだショックを受けている状態にあったと説明、本来守るべき交通信号を守らなかったとして自身の怠慢を謝罪した」と述べている。

 スチュワードはまた、サービスパーク外でレウティネンがマシンから1km以内に近づいたことが、スポーツ規則56.2.1に違反したとしてトヨタGAZOOレーシングに対してけん責処分を科している。