トヨタGAZOOレーシングWRTのセバスチャン・オジエは、伝説のサファリ・ラリー・ケニアの勝利の夢は金曜日にトラブルに見舞われた時点で消えたと思ったと明かした。
オジエは一番手ポジションのスタートというハンデを抱えた金曜日の朝、ダンパーに問題が発生し、首位のティエリー・ヌーヴィルから2分以上ものタイムロスを余儀なくされることになった。しかし、彼はグレートリフト・バレーの過酷なグラベルコースでライバルたちがトラブルに見舞われるなかバランスのとれた走りを見せて着実に順位を上げていった。
最終日の朝、首位のヌーヴィルがトラブルで消える波乱に見舞われたことで勝田貴元が新しいラリーリーダーとなったが、オジエはじわじわと彼を追い詰めて今季4勝目を飾り、選手権のリードを34ポイント差に伸ばして前半戦を終えることになった。
オジエは、金曜日の朝のトラブルには打ちのめされたと明かし、勝利することは考えられないと思ったと認めた。
「ダンパーに問題が発生したとき、リタイアにつながるようなリスクを冒すことを忘れ、残りのループでのタイムロスを受け入れるしかなかった」とオジエは説明した。
「しかし、僕らは決してあきらめない。このイベントでは、これまで以上にそれが合言葉になった。表彰台には近づけると思っていたが、勝てるとは思っていませんでした」
オジエは、最終日の勝田に追いつくことはけっして簡単ではなかったとして、初のポディウムを飾った勝田のパフォーマンスを讃えた。
「素晴らしい結果を残したタカを祝福したいと思う。彼に追いつくのは、最後まで簡単ではなかった」
オジエは、19年ぶりに世界ラリー選手権に復帰したサファリの魅力に取りつかれたことを認めた。
「この神話的なイベントを、僕の勝利のリストに加えることができて嬉しいよ。これまでアフリカ大陸に足を踏み入れたことがなかったし、現地の人々の素晴らしい歓迎のなかでの今回の勝利は、僕たちにとって忘れられない思い出となった」