ラリー・デ・エスパーニャWRC2では、ラリーをリードしていたマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 Rally2)が痛恨のパンクに見舞われ、エリック・カミリー(シトロエンC3 Rally2)が金曜日のステージを終えてトップに立っている。オストベルグにとってはタイトル連覇に向けて大きな打撃となっている。
1月のラリー・モンテカルロ以来のWRCへの参戦となったカミリーは、当初オストベルグの後方に位置していたが、SS2グラナデーヤで最速タイムを叩きだしてラリーを先行する。
タイトルを狙うオストベルグはすぐ次のステージでトップを奪い返すが、SS5でリヤタイヤをパンクに見舞われてしまった。タイヤ交換は2分近くを要し、彼は5位に順位を落とし、選手権逆転を狙う彼にとって大きな痛手となってしまった。
オストベルグが目の前にいなくなったところで、カミリーは好調な走りを維持し、最終ステージでもステージウィンを飾り、20.7秒をリードしてこの日を終えている。
「パフォーマンスには満足しているよ」とカミリーは語っている。「ここに来て、リードしている、そして良いペースを見せることができた、だから満足している」
オストベルグは戸惑っているようだ。彼はタイトルへの望みをつなげるために今週末は大きなポイントが必要だったが、このままのポジションでは選手権をリードするアンドレア・ミケルセンが来月のACIラリー・モンツァで1ポイントを獲得すればタイトルを確定させることができる。
「僕たちの1年を象徴しているようだ」とオストベルグはため息混じりに語っている。「もちろん、すごくがっかりしているよ、でも僕たちに何ができるのだろうか?一晩眠って、気分を入れ替えた状態で目覚めるようにしないとって思う」
ヒュンダイ・モータースポーツNからスポットで出場しているテーム・スニネン(ヒュンダイi20 N Rally2)は、新しいマシンに戸惑いながらのスタートではあったが、じょじょにペースを掴んでおり、カミリーから20.7秒差の2位で初日を終えることになった。しかし、彼の3.7秒後方にはチェコの新星エリック・ツァイス(フォード・フィエスタRally2)が迫っている。
ヤリ・フットゥネン(ヒュンダイi20N Rally2)は朝のループを通してエンジントラブルに悩まされ、ポディアムのポジションからは51.5秒離されたが4位となっている。後方のオストベルグとは29.9秒差となっている。
ショーン・ジョンストン(シトロエンC3 Rally2)はオストベルグから33.5秒遅れの6位、ゲオルグ・リンナマエ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)がさらに2分あまり後方の7位となっている。
ラリー・デ・エスパーニャのWRC3では、エミル・リンドホルム(シュコダ・ファビアRally2エボ)が6ステージのうちの3ステージを制して、前戦ラリー・フィンランドに続く2戦連続勝利にむけて力強いリードを築いている。
今季のフィンランド・チャンピオンに輝いたリンドホルムがターマックでも素晴らしい速さをみせ、SS1ヴィラプラーナのステージでのベストタイムで首位に立ち、地元のペペ・ロペス(シュコダ・ファビアRally2エボ)やチャンピオン候補の一人であるカイエタン・カイエタノヴィッチ(シュコダ・ファビアRally2エボ)の追撃を従え、最初のループを5.1秒リードして終えることになった。
リンドホルムは午後のループでも速さをみせ、SS4ヴィラプラーナとSS5ラ・グラナデーヤと連続してベストタイムを奪ってリードを拡大、2位のロペスに14.9秒の差をつけて初日をトップでゴールした。
「ここまではまったく問題なく行っている。路面にはたくさんのダートがあり、カットではとてもハードに切り込んでいく以外の選択肢はないが、僕たちはここにいることができたし、うまくいった一日だった」とリンドホルムは語っている。
カイエタノヴィッチは激しくロペスとポジションを争ったあと0.3秒差の3位につけている。WRC3の現在の選手権リーダーであるヨアン・ロッセルが今週のスペインをスキップして最終戦ラリー・モンツァに向かうため、彼を15ポイント差で追い掛けているカイエタノヴィッチとしてはできるだけ上位でフィニッシュして、最終戦での直接対決を目指すことになる。
カイエタノヴィッチから25.4秒の4位にクリス・イングラム(シュコダ・ファビアRally2エボ)、さらに18.8秒差で地元期待のハン・ソランス(シトロエンC3 Rally2)が続いている。
シュコダ・モータースポーツのサポートによってWRCデビューを果たしたチェコの若手ドミニク・ストジーテスキ(シュコダ・ファビアRally2エボ)は順調な滑り出しを見せ、6ステージともにトップ6のタイムを並べてソランスから6.6秒差で続いている。