ERC2021/07/04

グリアジンがERCラトビアでブリーンを抑えて優勝

(c)ERC

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 ヨーロッパ・ラリー選手権第2戦のラリー・リエパーヤが7月1〜2日にラトビアで行われ、ロシアのニコライ・グリアジン(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)がチームMRFタイヤのクレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20 R5)とERC王者アレクセイ・ルクヤヌク(シトロエンC3 Rally2)という強力なライバルたちの追撃から逃げ切り、開幕戦の雪辱を果たす素晴らしい勝利を飾っている。

 グリアジンは金曜日に4つのステージを制して10.6秒差をリードして迎えた最終日もラトビアの高速ステージでもゆるがない速さをみせることになった。オープニングステージのSS7でベストタイムを奪ってスタートした彼は、SS9でも2つめのベストタイムでリードを15.2秒へと拡大、午後のループでもさらに1つのベストタイムを刻んで、最終的にブリーンとの差を17.3秒まで広げて、ラリー・リエパーヤで3年連続勝利を飾っている。

 10代からラトビアでドライビングライセンスを取得してラリーを学んできたグリアジンは、ダブルパンクで勝利を逃した前戦の雪辱をホームの勝利で果たすことができたことを喜んだ。

「前戦ポーランドでトラブルに見舞われたあと、信じられないような週末だったが、ついに勝利を飾ることができたよ。簡単な仕事ではなかったが、最後の方はリラックスして、とにかく走りきることができたことをうれしく思っている。チームのみんなにも満足しているし、僕らにとってはホームラリーのようなものだから、今はお祝いだね」

 ブリーンは、朝のループのルースグラベルではあまりにもグリップのない路面に苦しむことになったが、後方から追い上げてきたルクヤヌクに13.6秒差をつけて2位でフィニッシュ、昨年からERCに挑戦を開始したMRFタイヤにとっても初のERC表彰台を達成することになった。

 ブリーンは予選ステージで21番手タイムに終わったため、スタートオーダーセレクションを逃れ、後方からのクリーンな路面で初日2位まで順位を上げることになったため、ルクヤヌクは「クリーンな路面でスタートするためにズルをした」と批難することになったが、最終日はほぼイコールな条件でルクヤヌクを下してみせた。

「MRFにとっても厳しいラリーだったが、前年よりも進歩したことを結果で証明することができた。僕らはようやく表彰台に立つことができたよ」とブリーンは喜びを語っている。

 開幕戦勝者のルクヤヌクは3位でのフィニッシュによってERC選手権リーダーを維持しているが、ラリー・リエパーヤに初参戦したアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRally2エボ)による抗議への裁定がどうなるかで結果は違ったものになるかもしれない。

 ミケルセンは金曜日の朝、グリアジンとトップを争う速さを見せていたが、SS2のスタートを遅らせたとして、1分間のペナルティを受けている。彼はこのペナルティについて、自身のソーシャルメディアにおいて「マーシャルが我々のスタート時間を確認しなかった。スタート時刻が確認できないまま、僕らはステージをスタートすることはできなかった」と説明しており、彼と所属するTOKスポーツはこの決定を不服として抗議を提出している。

 この問題について、主催者はSS2のスタートラインでミケルセンのスタート準備が整ってなかったためにペナルティを適用したと説明しており、ミケルセンは1分13.3秒差の5位でのリザルトが発表されているが、彼らの訴えが認められることになればブリーンを抜いて彼が2位に繰り上がることになる。

 有利な路面コンディションを味方にして初日3位につけたエフレン・ヤレーナ(シュコダ・ファビアRally2エボ)は土曜日に上位陣に追いつけず、ルクヤヌクから25.9秒遅れの4位となっている。

 母国ポーランドでERC初の表彰台に上ったミコワイ・マルツィック(シュコダ・ファビアRally2エボ)が6位、COVID-19プロトコル違反により6ヶ月間のWRC活動禁止処分を受けたヒュンダイ・ジュニアドライバーのオーレ・クリスチャン・ヴェイビー(ヒュンダイi20 R5)が7位となっている。また、7位につけていたドイツ・チャンピオンのファビアン・クライム(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)はSS8のクラッシュでリタイアに終わっている。

 ERCジュニアでは、ケン・トルン(フォード・フィエスタRally3)が初優勝、従兄弟のオリヴァー・ソルベルグからERC参戦プログラムを譲りうけたオスカー・ソルベルグ(フォード・フィエスタRally3)が2位でフィニッシュしている。また、ERC3ジュニアでは初日をリードしていたサミ・パヤリ(フォード・フィエスタRally4)が最終日に横転、地元のマルティンシュ・セスクス(フォード・フィエスタRally4)が優勝を飾っている。