WRC2021/10/18

ミケルセンの今季WRC2タイトルが確定

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 マッズ・オストベルグはラリー・デ・エスパーニャでWRC2選手権のタイトル防衛に必要なポイントを獲得できなかったため、アンドレアス・ミケルセンが最終戦のACIラリー・モンツァの参戦を待たずに暫定王者を獲得することになった。

 ミケルセンは今季、トークスポーツ・ワールドラリーチームのシュコダ・ファビアRally2エボを駆ってWRC2に参戦、開幕戦のラリー・モンテカルロで優勝した後、アークティック・ラリー・フィンランドで2位と好スタートを切ることになった。しかし、クロアチア・ラリーではサスペンショントラブルにより5位に留まり、新型コロナウイルスの陽性反応が出たためラリー・デ・ポルトガルを欠場、ラリー・イタリア・サルディニアでのクラッシュなど、シーズン中盤はけっして順調だったわけではなかった。

 しかし、ミケルセンはラリー・エストニアでの勝利の後、コドライバーをオラ・フローネからエリオット・エドモンドソンに変更することになったが、アクロポリス・ラリーで優勝し(写真)、選手権の主導権をライバルのオストベルグから取りもどしていた。

 ディフェンディング・チャンピオンのオストベルグは、クロアチアでの優勝のあと、パンクやサスペンションのトラブルなど多発する問題から何度も優勝を逃すことになり、さらにアクロポリスで最初のステージでいきなり左フロントのドライブシャフトが破損するというトラブルに見舞われてしまい、失意の後半戦となっていた。

 ラリー・デ・エスパーニャはオストベルグにとって最後の一戦となり、ここで最低でも18ポイント以上を獲得して、最終戦モンツァのミケルセンの結果を待つという状況だった。

 しかし、オストベルグはエスパーニャではエリック・カミリーとの首位争いで金曜日をスタートしたものの、シーズンに何度も泣かされたパンクにまたも見舞われて5位にポジションダウンしてしまう。彼はなんとか挽回のチャンスを掴もうとプッシュしたが、最終的には4位でフィニッシュ、パワーステージで最大ポイントを獲得したものの、わずか1ポイントの差で逆転でのタイトルチャンスに届かなかった。

 ミケルセンはスペインに出場していないにもかかわらず、来月のモンツァに出場することを条件に暫定でのタイトルに輝くことになり、サロウのサービスパークで、トークスポート・チームと一緒に成功を祝うことになった。

「ドライビングスーツを着ていない状態で、何もしないで座っているだけで、突然チャンピオンになれるなんて、とても不思議な感じがするよ。でも、モンツァに行って、ポイントへのプレッシャーを感じることなく、ただ全力で走りきることができるのは、本当に素晴らしいことだろう」とミケルセンは語った。

「僕の大きな目標は、WRCでチャンピオンになることなので、その方向に向けた一歩となる。今年はWRC2とERCでのタイトルを目指すことが僕らの焦点であり、主なターゲットだった。2つのチャンピオンシップ制覇にむけて、とても良い流れだね」

 ミケルセンは、来週末のラリー・ハンガリーではERCでもタイトルを獲得するチャンスをもってスタートする。オストベルグもまたラリー・ハンガリーに出場するが、彼はハンガリー選手権でのタイトル狙いが主な目的となる。

 ラリー・デ・エスパーニャのWRC2は、カミリーが最後までミスのない走りを続けて今季初優勝を飾り、テーム・スニネンがヒュンダイi20 N Rally2のデビュー戦で2位を獲得することになった。

 また、チェコの22歳の新星エリック・ツァイス(フォード・フィエスタRally2)も忘れられないWRCデビューとなり、数々のステージ優勝を果たし、スニネンと56.1秒差の3位表彰台を達成している。